文書の過去の版を表示しています。


治安システムと各種フラグ・タイマー

Security Status

EVEにおける治安制度の根幹を成すシステムに、「Security Status(以下SS)」という物があります。 SSと呼ばれるものは2つあります。

  1. プレイヤーが個別で持っているステータス。そのプレイヤーの犯罪者としての度合いを示す数値。
  2. ソーラーシステムのステータス。そのシステムの治安の良さを示す数値。セキュリティレベルとも言う。

この2つは全く別の意味を持ちますが、どちらも治安制度に大きく関わるものには間違いありません。ここではその両方を中心に解説していきます。


プレイヤーのSSは、プレイヤーがどれだけ違法行為を行なったかを示す数値です。高ければ安全な人であり、低ければ治安を乱す危険人物だということです。
SSはプレイヤーの行動によって上がったり下がったりします。そしてその数値により、様々な影響を受けるようになります。

SSがもたらす効果は以下の2つです。

  • -2.0以下の場合、Highsecへの侵入が制限される。(後述)
  • -5.0以下の場合、全プレイヤーからの「合法的な先制攻撃対象」になる。

このように、SSがプレイヤーに影響するのはSSが低い時のみです。高いからといって特別なことがあるわけではありません。
また、SSが-5.0以下のプレイヤーを一般的に「Outlaw(アウトロー)」と呼びます。

SSが低下するのは、High及びLowsecで、他プレイヤー及びその所有物1)への非合法な先制攻撃を行なった時、またはそれの補助をした時です。
この他にもCONCORDを攻撃したりしても低下しますが、やる人はまずいないので問題にはなりません。
また、PODに対して先制攻撃を行なった場合、艦船などに対する先制攻撃よりも大きくSSが低下します。

なお、合法的に先制攻撃できる2)のは以下のような状況の時です。

逆に、SSが上昇するのは以下の場合です。

  • 懸賞金のかかっているNPCを撃破した時
  • 特定のCONCORDステーションにある「セキュリティオフィス」で特定のタグを納品した時

NPC撃破によるSS上昇

違法行為によるSS低下は即時的なものですが、上昇させる場合はやや時間がかかります。
具体的には、

  1. SSの上昇は5分おき
  2. 5分の間に倒した最も強いNPCの「強さ」により上昇値が決まる(倒した数には依存しない)

そのため、NPCの弱いHighsecではSSを上げにくく、Nullsecでは比較的上げやすいと言えます。なお、ミッションなどに出現する各国海軍NPCやWHに出現するNPCを倒してもSSは上昇しません。

セキュリティオフィスによるSS上昇

Odysseyアップデートより導入された、比較的新しいSS上昇方法です。
Lowsecのアステロイドベルトでのみ稀に出現するNPC、

  • [FACTION] Clone Soldier Trainer
  • [FACTION] Clone Soldier Recruiter
  • [FACTION] Clone Soldier Transporter
  • [FACTION] Clone Soldier Negotiator

これらを倒した時にドロップするタグを、特定のステーションにあるセキュリティオフィス4)に納品(+手数料の支払い)することで、SSを大きく上昇できます。

必要タグの種類と数
現在のSSの値によって必要なタグが異なります。SSと必要なタグの関係は上の通りです。
タグはマーケットで取引が可能です。上にあるものほど出現率が低く需要も多いため、高値で取引されています。


EVEOnlineの宇宙「NewEden」は、SSによって以下の4つに分類することが出来ます。

  1. High Security Area
    (Highsec/ハイセク)
  2. Low Security Area
    (Lowsec/ローセク)
  3. Null Security Area
    (Nullsec/ヌルセク・ナルセクなど)
  4. Wormhole Space
    (WH/ワームホール)

SSが1.0~0.5のエリア。この中では基本的に、プレイヤーは他プレイヤーに対して非合法に先制攻撃することが許されません。比較的安全だといえるでしょう。
同意なく他プレイヤーを攻撃した場合、CONCORDなどによる制裁を受けます。具体的には、乗っている船が確実に破壊されます。Highsecでの先制攻撃を理由にBANされることはありません。
つまりそれは、乗っている船を犠牲にしても攻撃してくる人がいることもあるということです。絶対に安全というわけでは決してありません。

また、SSが低いプレイヤーは、Highsecに進入しただけで各国海軍5)から攻撃されるようになります。
システムのSSが高いほどその条件値も高くなり、以下の様なときに攻撃されるようになります。

システムSS 制裁対象プレイヤーSS
1.0 -2.0以下
0.9 -2.5以下
0.8 -3.0以下
0.7 -3.5以下
0.6 -4.0以下
0.5 -4.5以下

※この条件はあくまで「NPCから攻撃される条件」であり、これを満たしているからといってプレイヤーから攻撃されるわけではありません。
プレイヤーから攻撃されるのはSSが-5.0以下の時です。
これとは別に、4大国からのFacスタンディングが-5.0以下の時も、SSが条件を下回っている時と同様、海軍からの攻撃対象になります。

また、先制攻撃のあとCONCORDが制裁にやってくるまでの時間は、システムSSによって変動します
システムSSが高いほど早く、低いほど時間がかかります。

システムのSSが低いほど、アステロイドベルトに良い鉱石が含まれるようになりますが、SS0.7以下のソーラーシステムではアステロイドベルトに敵性NPCが出現します。
Highとはいっても、0.7以下で採掘する際は自衛用のドローンを準備しておきましょう。

SSが0.4~0.1のエリア。この中で他プレイヤーを先制攻撃しても、CONCORDが制裁しにやってくることはありません。
ただしここでの行動でプレイヤーSSが変動するため、あまり暴れすぎるとHighsecに戻れなくなってしまいます。

また、スターゲートとステーション周辺で先制攻撃を行った場合、海軍所属のセントリーガンが制裁のために攻撃してきます6)
CONCORDのような必殺の攻撃ではありませんが、FGなどの小型艦にとっては十分に脅威となるDPSです。
プレイヤーSSの件もあり、誰かれ構わず撃ってくるような完全な無法地帯というわけではありません。

SSが0.0以下のエリア。この中ではどんな行動をしようがSSが下がることはありません。
High/Lowとは違いバブルやボム、あるいはDDDといった武装の使用制限もありません。とはいえ、プレイヤーが統治しているところは比較的平和です。

SSが下がることは一切ありませんが、各所に出現する海賊NPCを倒すとプレイヤーSSが上昇します。

出入口が不定で、他のエリアから隔離されたエリア。
SSは-1.0固定。Nullと同様、いかなる行動でもSSが低下しません。バブルやボムも使用可能です。
しかしNullとは異なり、NPCにバウンティが掛かっておらず、NPCを倒してもSSを回復させることは出来ません。

WHは他のエリアと異なり、発言しない限りローカルチャンネルのメンバーリストが更新されません。
つまり同じシステムに誰がいるのかを判別することすら困難であり、完全な無法地帯です。



Flagging and Timer

フラグ・タイマーの例
EVEのシステムとして「フラグ」(あるいは「クライムウォッチ」)と呼ばれるものがあり、SSに依らない一時的な「合法的な戦闘」を規定するものがあります。
これらはクライアント画面左上に、カウントダウン形式でまとめて表示されます。

またそれ以外にも、プレイヤーを制限する「タイマー」がいくつか存在しています。

交戦権関係のフラグは、交戦の合法性を表すものです。
その性質上、OVの設定を適切にしていれば他プレイヤーのフラグ状態を確認することが出来ますし、逆に他プレイヤーからも自分のフラグ状況は認識されています。

Suspect Flag
Suspect(容疑者)フラグとは、

  • High/Lowsecにおいて、宇宙にある他人の所有物(黄色く表示されたコンテナや残骸の中身など)を盗んだ時、あるいは他人の所有するモバイルストラクチャを攻撃した時
  • Lowsecにおいて、他プレイヤーの船(カプセルを除く)に非合法な先制攻撃を行なった時(同時にSS低下)
  • High/Lowsecにおいて、自分へのキルライトを使用された時
  • Highsecにおいて、Suspectフラグが立っているまたはSSが-5.0以下の他プレイヤーに対し、リモートアシスト7)を行なった時(同時にSS低下)
  • Lowsecにおいて、Suspectフラグが立っている他プレイヤーに対し、リモートアシストを行なった時(同時にSS低下)
  • High/Lowsecにおいて、Limited Engagementフラグが立っている他プレイヤーに対し、リモートアシストを行なった時
  • High/Lowsecにおいて、PvP Logoffタイマーが作動しているコープ間戦争中のプレイヤーに対し、戦争に関係していない第三者がリモートアシストを行なった時

に作動するフラグです。期間は15分。
これが作動している間、そのプレイヤーは全プレイヤーから合法的な先制攻撃の対象になります。

セーフティ
セーフティを有効にしていれば、このフラグが作動する行動は行えなくなります。つまりこのフラグが立たなくなります。
セーフティを部分有効あるいは無効にしていると、このフラグが立つ行動も行えます。

Criminal Flag
Criminal(犯罪者)フラグとは、

  • Highsecにおいて、他プレイヤーの船(Podを含む)に非合法な先制攻撃を行なった時(同時にSS低下)
  • Lowsecにおいて、他プレイヤーのPodに非合法な先制攻撃を行なった時(同時に大きくSS低下)
  • High/Lowsecにおいて、Criminalフラグが立っている他プレイヤーに対しリモートアシストをした時

に作動するフラグです。期間は15分。
Suspectフラグの上位に位置し、Suspectフラグが立っている際にCriminalに相当する行為を行うと、SuspectがCriminalに上書きされタイマーがスタートします。更に、攻撃を受けた側のプレイヤーに対してキルライトが付与されます。
また、Criminalフラグが立っている時にSuspectに相当する行為を行った場合は、SuspectではなくCriminalのタイマーが再スタートします。

Highsecにおいてこのフラグが立っている場合、船のワープとスターゲートの利用ができなくなり、更にCONCORDの制裁対象として攻撃されます。建造物からのテザーも受けられません。(Podの場合はワープ・ジャンプが可能で、CONCORDの攻撃対象にもならない)
全カプセラからの合法的な先制攻撃対象になる点は、Suspectと同様です。

LowsecにおいてCriminalフラグが立っていても、ワープ・ジャンプのロックなどはされず、CONCORDの制裁もありません。ただし、全カプセラからの合法的な先制攻撃対象にはなります。

セーフティを無効にしている時に限り、Criminalフラグが立つ行為を行えます。

Limited Engagement Flag
Limited Engagement(限定交戦)フラグとは、

  • High/Lowsecにおいて、Suspect/Criminal状態、あるいはアウトローのプレイヤーを攻撃した時
  • High/Lowsecにおいて、決闘が成立した時

に、攻撃した側/された側の間、または決闘相手の間で相互に作動するフラグです。期間は5分で、どちらかが相手を攻撃するたびに再スタートします。
上2つのフラグとは異なり、全員から見えるフラグではありません。自分と、Limited Engagementが作動している相手の2人だけに見えるフラグです。
プレイヤー間で作動するフラグなので、同時に複数のフラグが作動することもあります。タイマーは、作動している中で最も長い残り時間のもので表示されます。

このフラグが作動している場合、作動している相手との間での相互の攻撃が合法になります。
つまり、Suspectなどのフラグが立っているプレイヤーに先制攻撃した場合、仮に自分がSuspect状態だったりしなくても、このフラグを理由に反撃を受けることがあるということです。FPKは基本的にこのシステムを利用しています。

Suspect/Criminalフラグとは違い、このフラグが立つ行為をセーフティで制限することが出来ません。

キルライト(殺害許可)とは、犯罪行為を行ったプレイヤーに対する報復のためのシステムです。
詳しい解説は個別ページにありますが、簡単に言うと「Criminal相当の行為をした場合、CONCORDだけでなく被害者本人(及びその他プレイヤー)からも報復を受ける可能性がある」と覚えておけばいいでしょう。


Weapon Timer
Weapon(武器使用)タイマーとは、

  • 全てのエリア8)において、他プレイヤー9)に対して攻撃的MOD10)を使用した時
  • 全てのエリアにおいて、範囲型兵装11)を使用した時(誰かに命中したかどうかは問わない)

に作動するタイマーです。期間は60秒。
また、Aggression(アグレッション)タイマーとも呼ばれます。

このタイマーが作動している間は、全てのステーションへの入港と全てのスターゲートの利用ができません。ただし、WHを通過することは可能です。
また、タイマー作動中は搭乗している船からの脱出や搭乗、SMA/SMB12)等を用いた船の乗り換えや装備の換装も出来ません。

また、このフラグが作動しているキャラクターに対してリモートリペアや送電、リモートセンサーブーストを行った場合、そのキャラクターと同じ残り時間でアグレッションタイマーが作動します。これを一般的に「アグレッションの伝播」と呼びます。
これにより、全く攻撃をしないLogi艦であってもこのタイマーの影響を受けます。

Non-Capsuleer Log-off Timer
Non-Capsuleer Log-off(非カプセラログオフ)タイマーとは、

  • 全てのエリアにおいて、NPCに対して攻撃した、あるいはNPCから攻撃された時

に作動するタイマーです。期間は15分。

通常、ステーション外でログアウトした場合は、ログアウト後に自動でワープし、その後宇宙空間から船が消失しログアウト完了となります。
しかし、このタイマーが作動している場合、ログアウト後の自動ワープは行われますが、タイマーが切れるまでは船が宇宙空間から消失しません。
NPCからワープ妨害を受けていた場合は、もちろんログアウト後のワープも作動しません。

この仕組みは、いわゆる「ピンチの時のログアウト逃げ」を防ぐためのものです。
ステーション外でログアウトする場合は、基本的にEscメニューから「安全ログアウト」を使用するようにしましょう。

Capsuleer Log-off Timer
Capsuleer Log-off(カプセラログオフ)タイマーとは、

  • 全てのエリアにおいて、他プレイヤー13)に対して攻撃した、あるいは他プレイヤーから攻撃された時

に作動するタイマーです。期間は15分。

効果は上のNon-Capsuleer Logoffタイマーと同じで、このタイマーの作動中はログアウトしても宇宙空間に船が残ったままになります。
なお、このタイマーはNon-Capsuleer Logoffタイマーとは別にカウントされます。Suspect/Criminalのように上書きされたりすることはありません。

Active Booster Timer
Active Booster(有効ブースター)タイマーとは、コンバットブースター(麻薬)を使用した時に、その効果の残り時間を示すタイマーです。
他のタイマーとは違い、このタイマーが作動していることを理由にプレイヤーの行動が制限されるということはありません。

Jump Fatigue Timer
Jump Fatigue(ジャンプ疲労)タイマーとは、ジャンプドライブを使用、あるいはジャンプブリッジ/ポータルを通過したあとに作動するタイマーです。
このタイマーの残り時間が、後述のクールダウンタイマーに影響します。

このタイマーの長さは、ジャンプ前の疲労タイマーの長さとジャンプ移動距離により決まります。

Jump Reactivation Timer
Jump Reactivation(ジャンプ再起動)タイマー、通称クールダウンタイマーは、ジャンプドライブを使用、あるいはジャンプブリッジ/ポータルを通過したあとに作動するタイマーです。
このタイマーが作動している間は、ジャンプドライブを使用することも、ジャンプブリッジ/ポータルを通過することも出来ません。

このタイマーの長さは、先述のジャンプ疲労タイマーとジャンプ移動距離により決まります。

Jump Cloak Timer
Jump Cloak(ジャンプクローク)タイマーは、スターゲートやワームホールを通過したあとに発生する14)自動クロークの残り時間を示すタイマーです。
自動クロークは最大で60秒間持続しますが、船が移動を始めると即座に解除されます。

自動クロークが持続している間はモジュールを起動することができません。

Invulnerability
Invulnerability(無敵)タイマーは、ゲートジャンプとワームホール通過を除くセッション移動(ジャンプドライブ・ジャンプブリッジの使用、ステーション等からの出港など)の際に作動するタイマーです。
このタイマーが動いている間はロックオン及び外からの攻撃を受け付けません。
最大で30秒間持続しますが、船に対して何らかの操作を行うと即座に解除されます。

Session Change Timer
Session Change(セッションチェンジ)タイマーとは、

  • ステーションに入港・ステーションから出港した時
  • ソーラーシステム間を移動した時15)
  • フリートに参加・フリートから脱退・フリートでの配置換えをした時
  • ステーション外で船から脱出16)・船に搭乗・別の船に乗り換えをした時

に起動するタイマーです。期間は10秒。

このタイマーが作動している間、Session Change Timerが起動する行為を再度行うことが出来ません。
特に問題になるのが、これが原因でスターゲートの利用が阻害されることがあることです。
たとえば、スターゲート前で船が破壊されたあと、スターゲートを起動するためには10秒の待機が必要になります。一旦別方向に逃げなければ、容易にPodkillされてしまいます。

この機構はサーバー保護のためのものなので、これが原因となった損害に関して運営は一切関知しません。


フラグが立つ行為まとめ
フラグによる影響まとめ


1)
所有権のある艦船・ドローン・残骸など
2)
先制攻撃してもSSが低下せず、加えてCONCORDやNPCセントリーガンからも攻撃されない
3)
同一NPCコープ、または同一アライアンスの別コープ間では非合法。また、コープ内交戦が許可されていない場合も非合法
4)
ステーションサービスの一つ。
スターマップの色分け設定で「サービス>セキュリティオフィス」にチェックを入れることで、どこのステーションにあるか確認できる。
全部で45ヶ所、その全てがローセクに存在する。
5)
NPC。強いが、CONCORDとは別物。
6)
Highsecでもセントリーガンは制裁の攻撃をしてきますが、CONCORDが強すぎて目立たない。
7)
リモートリペア、エネルギートランスファー、リモートセンサーブースト、トラッキングリンクなどなど。
ただしフリートブーストは除く。
8)
Null/WHも含める
9) , 13)
合法的な交戦対象を含む
10)
タレット/ランチャー等の兵装、EWAR等
11)
スマートボム、ECMバースト、ボムランチャー、範囲型ワープ妨害
12)
Ship Maintenance Array/Ship Maintenance Bay
どちらもステーション外での船の乗り換えと装備変更をするための設備で、SMAはPOSモジュールの一つであり、SMBは一部の大型船に搭載されている。
14)
ジャンプドライブの使用とジャンプポータル/ブリッジの通過では発生しない。
15)
Podkillによるスキルクローンの起動、ジャンプクローンの使用を含む
16)
船の破壊によるPod放出を含む
  • technic/security-and-flag.1537603059.txt.gz
  • 最終更新: 2018/09/22 16:57
  • (外部編集)