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Fittingセオリー

「Fitting」あるいは「Fitを組む」とは「艦にMODを装備すること」。
どんな船にどんなMODを装備しても怒られることはありません。
しかし、艦の特性を理解せず非効率なFitにしていると、結局船の性能を生かせず弱いままとなり、「Noob」「lol」とあざ笑われることでしょう。

ここでは、どんな船でも共通する「効率的なFitの組み方」の手順を簡単に説明します。
一般的な戦闘用Fitの説明になります。ロジ艦やEWAR艦など特殊な役割の場合は多少異なりますが、基本的な考え方は変わりません。

それと、実際にMODや船を買う前にEFTやPyfaなどのFit支援ツールを使いましょう。
これらを使うことで、ISKを消費することなくFitの試行錯誤ができます。
特にCPU/PowerGrid(PG)関連はスキル状況によって大きく変化することもあり、これらを使わないと非常に計算が面倒になります。

このゲームにおいては、どの船が極端に強いといったことは基本的にありません。
ただ、それぞれの船に得意な環境と苦手な環境があるといった具合です。

なので、基本的にはどの船を使っても構いません。ただし、Fittingのときと実際に運用するときは、その特性を理解していなければなりません。
その「特性」がわかりやすく出ているのが「艦のボーナス」です。
艦種一覧にも書いていますが、すべての艦は特定のMODの使用・運用に対してボーナスが発動し、より強力になります。

これを活かすことがFittingの大前提で、これを無視するのであれば「じゃあ他の船でいいじゃん」「他の船使ったほうが強い」といったことになります。

どんな船であっても、敵の攻撃を凌げなければ話になりません。都合よく特定の味方だけを敵が撃ってくれるほど、このゲームは甘くありません。
「いかにして敵の攻撃を凌ぐか」をこのゲームでは「タンク(Tank)」と呼び、その方式はいくつかあります。

詳しい解説は船の防御の組み方にて。
以下で簡単に解説します。

シールドタンク
Shield Hardener
アクティブシールドタンク
Shield Booster
シールドのHPを自力で回復し続ける方式。
シールドブースターがキャパシタを大量に消費するものの、起動してすぐHPを回復するので適宜ON/OFFして運用する。
瞬間的な高火力にはなかなか耐えられないためPvPには使いにくい。ただしASB1)はPvPでよく使われる。
シールドバッファタンク
Shield Extender
シールドのHPを高め、こちらのHPが無くなる前に相手を倒そうという方式。
基本的にPvPで使われる方式だが、ロジ(ロジスティクス。いわゆるヒーラー)がいるならばPvEでも有効。
シグネチャ半径が大きくなるという欠点もある。
パッシブシールドタンク
Shield Power Relay
シールドバッファタンクの応用編。
「キャパシタと同様、シールドも自然回復する」という特性をより特化させた方式。シールドHPを上げつつ、自然回復速度を早めるMODを使用する。
強固ではあるが、スロットを多く使用するため攻撃性能などが低くなりがち。また、これに向いている艦はDrakeなど一部しかない。
アーマータンク
Energized Armor Resistance Membrane
アクティブアーマータンク
Armor Repairer
アーマーのHPを自力で回復し続ける方式。
起動してから回復するまでのタイムラグが長いため、リペアラは常に回し続けるのが基本。
基本はPvE向きだが、リペアラを複数搭載してPvPに用いることも多い。
アーマーバッファタンク
Armor Plate
シールドバッファタンクと思想自体は同じ。
ただしこちらの場合、シグネチャ半径ではなく質量が増加するため速度と機動性が落ちる。
その他 スピードタンク
Afterburner
艦のスピードを上げることで敵のタレットの追跡速度(トラッキング)とミサイルの爆発速度を振り切る、あるいは敵の射程圏外を常に維持することで被ダメージを軽減しようという思想。
これ単体では割と脆弱なので、他の防御方式と併用するのが基本。アクティブタンクと相性が良い。
ハルタンク
Reinforced Bulkheads
最終層防御であるストラクチャの防御を固める思想。
それ用のMODもいくつか存在するが、一言で言ってしまえば非効率極まりない。CCPですらネタにするレベル。
ただ、そこにはロマンがあるらしい。

・・・だったが、ハルバッファタンクは最高速が低下せずPGを消費しないという特性に変わったため、PvPの選択肢として徐々に見直されてきている。
ハルリペアラだけは相変わらずゴミカス性能なので、ハルバッファにアーマーリペアラを組み合わせることが多い。
ノータンク そもそも攻撃を受けることを想定していない場合は、防御にスロットを使わないこともある。Covert Opsなどがそう。
輸送艦などは戦闘しないとは言っても、防御性能が低いとKamikazeの対象となりやすい。シールドのバッファを強化しておこう。

このように、シールドかアーマーどちらかだけを強化するのが基本です
艦の防御構造はシールド・アーマー・ストラクチャ(ハル)の3層ですが、ダメージを受けるのはシールド→アーマー→ストラクチャの順で、より上位の部分のHPがなくなってから次の部分がダメージを受け始めます。
もし仮にシールドとアーマー両方を強化するFitをしていた場合、シールドがダメージを受けている間はアーマー強化のMODは機能しませんし、シールドがなくなってアーマーがダメージを受け始めるようになれば、シールド強化のMODは意味を成さなくなります。
艦に装備できるMOD数は限られているので、これではもったいないです。はっきり言ってしまえば、弱いです。

そして、わざわざシールドとアーマーで区別したのは、
シールドを強化できるのはミディアムスロットのMODだけ
アーマーを強化できるのはロースロットのMODだけ
という法則があるからです。(一部例外あり)
つまりスロット数配分に応じて、その船に向いている防御方式がシールドかアーマーか決まってくる、ということです。


攻撃・防御・機動の3つに関するMODはいずれも「PGを多く占有する」という特徴があります。
ここが決まってしまえば、あとはPGを殆ど使わない補助系MODで埋めていくことになります。
この順序が逆になるとちょっと面倒かなと思います。

ハイスロットを使用する、タレットやランチャー系MODのことです。
大半の艦がこれに関するボーナスを持っているので、ボーナスで指定されているものを上限いっぱい使用しましょう。
たとえばCaldariフリゲートMerlinならばSmall Hybrid Turretへのダメージボーナスを持っているので、ブラスターかレールガンを載せる、と言った具合。

そして、ハイスロットで使用するMODは同一のもので揃えましょう。
一つ目の理由は、射程距離の統一。特定の距離で一部のタレットだけ当たらない、なんて状態になればそれは無駄以外の何物でもありません。
2つ目の理由は、グループ化です。全く同一のMODをハイスロットで使用している場合に限り、攻撃操作とリロード操作を一括で行えるようになります。

シールドとアーマーどちらの防御を選ぶかですが、ミディアムスロットとロースロットのどちらが多いか、で決めるのが普通です。ハルタンクは無視していいです。
上でも書きましたが、シールドを強化できるのはミディアムスロットのMOD、アーマーを強化できるのはロースロットのMODだけです。
後述しますが、攻撃と防御以外にも、補助用のMODを載せる必要はあります。そしてそれらは、ミディアムとロー両方を使うのです。
防御用MODだけでミディアムあるいはロースロットを埋めてしまうと、結果的に致命的な欠陥を持ったFitになることがほとんどです。

シールド、アーマー、ストラクチャには、それぞれ「レジスタンス(抵抗率)」という数値が設定されています。
その部分が攻撃を受けている間は、各属性のダメージをレジスタンスの割合だけ軽減するというものです。
つまりレジスタンスが高いほど受けるダメージが減るということです。
船の防御を考えるにあたってはそれが一番大事で、アクティブであろうとバッファであろうとレジスタンスを上げることは共通しています。
シールド防御なら「Multispectrum Shield Hardener(適応攻撃耐性フィールド)」、アーマーなら「Multispectrum Energized Membrane(電磁加工ナノ対応装甲)」をとりあえずは装備しておきましょう。
これらは全属性のレジスタンスを同時に向上するもので、結構強力です。
あとは特に低いレジスタンスを補ったり、PvEなら敵の攻撃属性に応じたレジスタンスを向上させたりしましょう。

それともう一つ、「Damage Control(ダメージ制御、通称ダメコン)」を装備しておきましょう。
これは「全区画の全レジスタンスを向上させる」というMODで、これをつけるだけで船の防御性が大幅に向上します。
特にストラクチャのレジスタンス向上が大きいため、万が一の時の保険としても機能します。

レジスタンスをある程度上げたら、あとは回復用のシールドブースター、アーマーリペアラを装備したり、HPを向上させるシールドエクステンダー、アーマープレートなどを装備しましょう。
ただ、回復重視ならリペアだけ、HP重視ならプレートだけ、と言った感じでどちらかだけを装備するのが基本です。両方を併用することは基本的にあまりありません。

一応補助系MODに分類されますが、特に重要なのでここで書きます。
ここで言う機動性向上MODとは、アフターバーナー(AB)マイクロワープドライブ(MWD)のことです。
どちらも、キャパシタを消費することで船の最高速度と加速性を向上させます。

ABは起動することで最高速を2倍に引き上げます。
MWDは起動することで最高速を6倍に跳ね上げますが、その分キャパシタ消費も大きく、起動することでシグネチャ半径も6倍になり、加えて起動していなくても船のキャパシタ上限を低下させてしまうというデメリットも有ります。

このゲームでは、船の出せる速度というのは非常に重要になっています。
いくらワープできるとはいっても、それは万能ではありません。ワープを使わず自艦の速度で航行しなければならないことのほうが多いです。
なので、これらのMODを載せることはほぼ必須と言っても間違いないです。

PvEではキャパシタ性能を低下させるMWDはあまり使われず、ABがよく使われます。
逆にPvPでは、MWDが使われることが多いです。


もしここまでFitした段階でPGが足りないようであれば、タレットをよりPG消費の少ないものに取り替えたり、シールドエクステンダーやアーマープレートを一段階小さいものに取り替える、あるいは補助MOD「Reactor Control Unit(リアクター制御装置)」、リグ「Ancillary Corrent Router(補助カレントルーター)」などを装備してPG上限をより大きくしたりして対策しましょう。
もしどうしても足りないようであれば、Fit指針自体が間違っていた、あるいはその船に向かないFittingだった可能性があります。見直しの余地ありです。

逆にPGが大量に余るようであれば、まだ拡張の余地があるということです。
足りない時の対策の逆をやるなどしましょう。

船の基本的な機能は上記のように、攻撃・防御・機動の三点です。
しかし、それだけでは船に様々な弱点が生じます。それを補うために補助用MODがあり、これを使用することで船の性能のバランスを取り、弱点を減らし長所を伸ばします。
補助系MODは数多いですが、その中でも使用頻度の高いものをいくつか列挙します。

  • 「Ballistic Control System(弾道制御装置)」:ミサイル用
  • 「Gyrostabilizer(回転制御機)」:プロジェクタイルタレット用
  • 「Heat Sink(放熱機)」:エネルギータレット用
  • 「Magnetic Field Stabilizer(磁場制御機)」:ハイブリッドタレット用

攻撃力を底上げするMOD。いずれもロースロットを使用します。
効果は非常に大きく、対応するものを1つから2つ、あるいは3つ付けることも多いです。

  • 「Tracking Computer(トラッキングコンピュータ)」:ミディアムスロット・アクティブ
  • 「Tracking Enhancer(トラッキングエンハンサー)」:ロースロット・パッシブ

タレット系武装の射程と追跡速度を向上させるMOD。敵にダメージが通りやすくなります。
トラッキングコンピュータの方はスクリプトで射程特化・追跡特化に切り替えることが可能です。

  • 「Capacitor Recharger(キャパシタリチャージャー)」:ミディアムスロット
  • 「Capacitor Power Relay(キャパシタパワーリレー)」:ロースロット
  • 「Capacitor Flux Coil(キャパシタフラックスコイル)」:ロースロット

いずれもパッシブでキャパシタ回復速度を向上させるMOD。
パワーリレーはシールド回復力を、フラックスコイルはキャパシタ上限を犠牲にして、より高い効果を得られるようにしています。
もちろんパワーリレーはアクティブシールドタンクと相性が悪いですが、アクティブアーマータンクとの相性は非常に良いです。
フラックスコイルはキャパシタ上限が下がっているため、実際そこまで高い効果は得られません。

  • 「Warp Scrambler(ワープスクランブラー)」
  • 「Warp Disruptor(ワープディスラプター)」
  • 「Stasis Webifier(ステイシスウェビファイヤー)」

ワープスクランブラー/ディスラプターはPvP必須装備。ワープを封じなければPvPになりません。
スクランブラーはMWDの起動も阻害するため、PvEで使えなくもない・・・かも。
ステイシスウェビファイヤー、通称ウェブは、当てた相手の速度を大幅に下げるMOD。
速度を上げることが防御につながるということは、速度を下げさせれば防御性能は下がります。PvP/PvE問わず有効なMODです。

リグもMODの一種ではありますが、CPUやPGではなく「キャリブレーションコスト」という個別のリソースを使用して装備するものです。
通常のMODでは得られない効果を持っているものもあり、結構重要です。一旦装備すると外して再利用することが出来ないという特性もあります。

結構価格も高いため、ミッション用のフリゲートや駆逐艦など、安価ですぐ乗り換えること前提の船には用いないのが普通です。
逆にPvPなど性能を限界まで高めたい場合や、巡洋艦クラス以上のPvE艦では使用するべきです。

リグの効果に様々なものがあるのは上に書いたとおりですが、その中にはよく使われるものも全くと言っていいほど使われないものもあります。
よく使われる方のリグは主なRigにまとめてあります。


ぶっちゃけてしまえば、自分でFitを考えるよりも他の人から教えてもらったほうが楽です。
艦種一覧でFit例を載せているのもそのためです。
ですが、セオリーを理解できていなければ「どうしてこういうFitになったか」を理解できず、まあ色々と困ったことになります。

まあ、ここまで読んだのであれば、そういう心配はないと思います。


1)
Ancillary Shield Booster(補助シールドブースター)。連続使用に制限はあるが船のキャパシタを消費しない。
  • module/fitting.txt
  • 最終更新: 2022/01/29 19:04
  • by Osat Bartlett