fitting:doctrine

ドクトリン

一般的にドクトリンとは「戦闘教義」、軍隊部隊の運用思想のことを指しますが、EVEにおいては特に「アライアンス、コープなどの集団が、戦闘の際に使用する標準的な艦隊編成及びその装備を事前に取り決めたもの」を指します。

平たく言えば、「このコープに所属するならこの船とこの装備を使って戦うから、予め用意しといてね。まだ使えないなら、なるべく早く使えるようになってね」というものです。

基本的に対人戦に関わる概念ですが、対NPCでもインカージョン攻略ドクトリンが、パブリックな攻略コミュニティなどで存在しています。

簡単に言うと、「艦隊を構成する艦船の性能、特に火力艦(DPS)の性能を均質化し、艦隊指揮を容易にする」ためです。

全員が同じだけの射程距離を持ち、全員が密集しているならば、射程内にいる敵一隻に対して全員が同時に攻撃することができます。
全員が同じだけの速力を発揮できるなら、常に動き回りながら攻撃を続けるような状況でも置き去りになりません。
つまり、全員が同じような性能であれば、FC(艦隊指揮官)は艦隊を一つの塊として扱うことができるため細かい指示をする必要が少なくなる、ということです。

もちろん、本当に全員が全く同じ船に乗っているとできないことや苦手なことなど弱点がはっきりと出てしまうため、それを補うことに特化した各種艦船(サポート艦)を数隻混ぜるのが基本です。

DPS 火力担当。フリートの主力を構成する船。
以下のサポート艦に乗らないメンバーは基本的にこれに乗る。
Logi リペア担当。いわゆるヒーラー。
通常はフリートの3割前後を構成する。
Webber Web担当。
接近戦を行う際の敵の捕縛、もしくはフリートに接近する小型艦の足止めを行う。
フリートに1人ないし2人程度欲しい。
Pointer ワープ妨害担当。攻撃する目標を捕縛し戦場からの離脱を阻止する。
Nullで使用するドクトリンの場合はPointerを用いず、代わりにDictorを多数投入することが多い。
Booster フリートブースト担当。別名“Link”とも。
味方全体にバフを撒く。基本的にはCDDもしくはCSを用いる。
重ね掛けが効かない仕様上、1フリートに2-3人いれば良いが、スキル要件の重さからなかなか揃えられないものでもある。

主にコマンドノード戦などで対CL以下を想定した艦隊戦ドクトリン。
スキル要件と価格はやや高めだが、機動性が高く運用しやすい。

DPS Muninn
Logi Scimitar
Webber Huginn
Pointer Lachesis
Booster Claymore

DPS

[Muninn, Muninn]

Power Diagnostic System II
Gyrostabilizer II
Gyrostabilizer II
Tracking Enhancer II
Tracking Enhancer II
Assault Damage Control II

Large Shield Extender II
Large Shield Extender II
Multispectrum Shield Hardener II
50MN Y-T8 Compact Microwarpdrive

720mm Howitzer Artillery II
720mm Howitzer Artillery II
720mm Howitzer Artillery II
720mm Howitzer Artillery II
720mm Howitzer Artillery II

Medium Core Defense Field Extender II
Medium Core Defense Field Extender II

Warrior II x5

Logi

[Scimitar, Scimitar]

Damage Control II
Capacitor Power Relay II
Capacitor Power Relay II
Capacitor Power Relay II

Multispectrum Shield Hardener II
Large Shield Extender II
Large Shield Extender II
Multispectrum Shield Hardener II
50MN Quad LiF Restrained Microwarpdrive

Pithum A-Type Medium Remote Shield Booster
Pithum A-Type Medium Remote Shield Booster
Large Asymmetric Enduring Remote Shield Booster
Large Murky Compact Remote Shield Booster

Medium Core Defense Field Extender II
Medium Core Defense Field Extender II

Warrior II x9

Webber

[Huginn, Huginn]

Damage Control II
Power Diagnostic System II
Power Diagnostic System II
Power Diagnostic System II

Large Shield Extender II
Large Shield Extender II
Multispectrum Shield Hardener II
Multispectrum Shield Hardener II
50MN Quad LiF Restrained Microwarpdrive
True Sansha Stasis Webifier

125mm Gatling AutoCannon I
Medium 'Vehemence' Shockwave Charge
Medium 'Vehemence' Shockwave Charge

Medium Core Defense Field Extender II
Medium Core Defense Field Extender II

Warrior II x8

Pointer

[Lachesis, Lachesis]

Damage Control II
Capacitor Power Relay II
Capacitor Power Relay II
Capacitor Power Relay II

Large Shield Extender II
Large Shield Extender II
Multispectrum Shield Hardener II
Multispectrum Shield Hardener II
Republic Fleet Warp Disruptor
50MN Cold-Gas Enduring Microwarpdrive
EM Shield Hardener II

125mm Gatling AutoCannon I
Medium 'Vehemence' Shockwave Charge
Medium 'Vehemence' Shockwave Charge

Medium Core Defense Field Extender II
Medium Core Defense Field Extender II

Warrior II x5
Hornet EC-300 x5

Booster

[Claymore, Claymore]

Damage Control II
Power Diagnostic System II
Power Diagnostic System II
Nanofiber Internal Structure II

Multispectrum Shield Hardener II
Multispectrum Shield Hardener II
50MN Quad LiF Restrained Microwarpdrive
Pithum C-Type Kinetic Shield Amplifier
Republic Fleet Large Shield Extender
Republic Fleet Large Shield Extender

Shield/Skirmish/Information Command Burst II
Shield/Skirmish/Information Command Burst II
Shield/Skirmish/Information Command Burst II
125mm Gatling AutoCannon I
125mm Gatling AutoCannon I
Medium EMP Smartbomb II
Medium EMP Smartbomb II

Medium Core Defense Field Extender II
Medium Command Processor I

Hobgoblin II x5
Hornet EC-300 x10

スキルが不足してドクトリンのFitを全て使用できない場合に、その使用できない装備をメタ品などに換装することは基本的に推奨されません
特に防御性能を落としたり、タレットをメタ化してT2弾薬が使用できなくなったりということは絶対に避けないといけません。
例外としては、そういった主要性能に影響しない部分、例えばスマートボムをT2からメタに落としたり、ポイント/Web以外の補助的EWAR(RSDやECMなど)をメタに落とすことは問題ないでしょう。

どうしてもドクトリン指定されている船に乗れない場合は、スキル要件が低いフリゲートなどがドクトリンとは別で用意されている場合があります。
その時はそれを使えば問題ないです。ですが、なるべく早くドクトリン艦を使えるようになったほうがいいはずです。


ドクトリンを制定する上での注意事項

ここから先は、ドクトリンを制定する側が考えるべき事柄になります。

EVEで起こる艦隊戦の状況は様々で、軽く思いつくだけでも

  • 建造物の攻防戦
  • PvE、採掘をしている艦船に対する襲撃
  • ヌルセクの領土戦
  • ローセク、ヌルセクを徘徊(ローミング)してからの遭遇戦

など多岐にわたります。それら全てで万能に使えるドクトリンなどまず存在せず、状況に応じたドクトリンを選択する必要があります。

建造物の攻防戦に適したドクトリンは基本的に防御力重視で、交戦距離は長射程短射程どちらもありえます。敵の構成に合わせて使い分けられるといいでしょう。
加えて、それがハイセクなのかローセクなのか、はたまたWHなのかで話が違ってきます。
ハイセクならば第三者の横槍はまず入りませんが、ローセク以下ではそれも十分起こりえますし、主力艦が投入されることも想定しなければなりません。WHでの戦闘にBS艦隊を投入しようとすると、あっという間に進入経路がなくなってしまいます(最初からWH内部にいるなら話は別です)。

襲撃や領土戦(特にコマンドノード戦)では船単体の火力や固さよりも機動力が求められることが多いので、重いBSよりもDDやCL艦隊の方が向くでしょう。加えて、プレート装備で機動性の落ちるアーマーフリートよりはシールドフリートの方が適していると言えます。

要は、どのような状況で用いるのかによって、射程や機動性、防御力などドクトリンに求められる性能が違ってくるため、それに合わせてメインDPSの船を選定する必要がある、ということです。

コープやアライアンスとして活動しているならば、起こりうる戦闘状況は自ずと決まってきます。
最低でもそれらに対応できるドクトリンは制定しておくべきものです。

要は、「このドクトリンはこういう戦い方をするフリートだから、こういう立ち回りをしたい」「敵のフリートにこういう動きをされたら嫌だから阻止しないといけない」という点を把握しておきましょう、ということです。
長射程での交戦を意図するなら、敵に距離を詰められないよう手立てをしなければなりませんし、逆に近距離戦を志向するなら、如何にして敵との距離を詰め、敵の足止めをして、如何に敵の攻撃を凌ぐかというのもドクトリン構築の段階で考えておかなければなりません。
具体的には、それに適応したサポート艦を選定し、それに合わせた装備をしましょう。

ドクトリンは集団で扱うものである以上、所属メンバーの多くがそれに問題なく乗れる、あるいは乗れるようになるまでにそう長い時間を必要としないものでなくてはなりません。
これは極端な例で、AbsolutionをメインDPSに据えたドクトリンを運用できたならそれは間違いなく強いですが、普通はCommandShipに乗れるパイロットはごく限られているし、スキルトレーニングにも長い時間を要するのでまず運用できません。
これは大規模な集団になるほど顕著で、大手アライアンスの汎用ドクトリンはT1BSやT1BCだったりします。逆に小中規模の勢力になればメンバーのスキル水準が把握しやすいので、T2艦船など上位艦を主軸としたドクトリンも比較的組みやすいでしょう。

各ドクトリンとは別に、低スキルプレイヤー向けの「汎用的に使える艦隊戦闘用フリゲート」を取り決めておくのも良いです。
タックラー役の軽量フリゲート電子戦フリゲートなどは、スキル要件も費用もかなり安く簡単に乗ることができて、かつそれなりの効果を簡単に挙げられます。

コープの資産に余裕があり十分にSRP1)を支給できるならばあまり気にする必要はありませんが、Fac仕様艦船など高価なドクトリンを制定して運用したものの、一度壊滅したら予算がなくなって艦隊を再建できなくなった、なんてことは避けるべきでしょう。

メンバーに複雑な操作を要求するようなフリートは、思ったように強さを発揮できなかったり、予期せぬトラブルが起こったりします。
基本的に多くのドクトリンでは、DPSを始めとした艦隊メンバーはFCに追随することで操艦操作を減らし、火器操作等に専念できるようにしています。そのようなドクトリンなら基本的に問題ありません。
複雑な操作の例としては、

  • 分散して個別での敵捜索と集合を繰り返すようなフリート(フリート本隊の位置を見失って落伍する者が出たりする)
  • DPSがロジを兼ねるスパイダータンクフリート(味方を撃ってしまったり敵にリペアを入れてしまったりする)
  • ステルスボンバー爆撃フリート(メンバーに対してクロークしながらの個別操作を要求する。一人のミスで全員のクロークが剥げて攻撃に失敗したりする)

等が挙げられます。これらは実運用を繰り返すことでメンバーの練度が上がっていき失敗も少なくなるもので、最初から万全に使いこなせるとは思わないほうがいいでしょう。

ドクトリンを組んでいる段階で考えていたことが、実際にはうまく行かないということはいくらでもありえます。
建造物を巡る攻防などの重要な戦闘に投入するドクトリンは、なるべく事前に一度運用してみて、問題点を洗い出しましょう。

まるっきりうまく行かず、構想から間違っていたという場合もあります。そういったときはドクトリン案を完全に放棄して一から考え直したほうがいいでしょう。
そういった試行錯誤が、今後ドクトリンを組んでいく際に役立つはずです。


1)
Ship Replacement Program/艦船補償制度。コープやアライアンス主催の艦隊戦に参加して船を撃沈された場合、その購入費用をコープ等が補償して損失を埋め合わせる制度。
ある程度大きな規模の勢力は基本的にこの制度を構築しているので、メンバーは損失を気にすることなく戦闘に参加できる
  • fitting/doctrine.txt
  • 最終更新: 2021/02/02 12:21
  • by bartlett