レジスタンス計算

Clear Skies 2より
「シールド/アーマー/船体のレジスタンス(レジスト)」は船の最重要ステータスの一つですが、その算出方法は若干複雑です。
レジスタンスの基礎を含め、ここでわかりやすく解説していこうと思います。

そもそもレジスタンスとは、「受けるダメージを何割カットするか」を示すステータスです。
レジスタンスが30%であれば、受けるダメージは元々のダメージの70%になります。

EVEにおける防御方式は、MODを使ってHPを回復することで敵の攻撃を凌ぐアクティブタンクと、HP上限を引き上げて多くの攻撃を受けられるようにするバッファタンクの2つに大きく分けられます。
そのどちらにとっても、受けるダメージそのものを小さくする、つまりレジスタンスを上げることは必要不可欠です。

レジスタンスはシールド/アーマー/船体の3層でそれぞれ個別の値を持っており、シールドがある間はシールドの、シールドがなくなればアーマーの、アーマーもなくなれば船体のレジスタンスが適用されます。
また、各層のレジスタンスはEM1)、Therm2)、Kin3)、Exp4)の4属性に分かれており、受けるダメージの属性に応じたレジスタンスが適用されます。


船の初期状態のレジスタンスは国籍と艦種により決まっており(後記)、それをベースにボーナスやMOD等で引き上げていくことになります。

例えば、シールドのThermレジスタンス+44%という効果を持つMOD、Thermal Shield Hardener IIを1つ装備するとします。
通常のシールドThermレジスタンスは20%なので、それを装備することで20%+44%=64%になる、と思うかもしれませんがそうではありません。

基本的にMOD等の「◯◯レジスタンス+◯◯%」というのは、純粋な加算ではなく「その属性のダメージを更に◯◯%減らす」という意味になります。
上の例で言えば、Therm属性ダメージはまず元々のレジスタンスにより20%減らされ、本来の80%(0.8倍)のダメージになります。Thermal Shield Hardener IIを装備・使用することで、ダメージはそこから更に44%減ります。これはつまり56%(0.56倍)になるということであり、計算式で表すと

(1-0.2)*(1-0.44)=0.448

となります。つまり、この状態ではTherm属性のダメージは元々の44.8%しか受けない、ということになります。
元々のダメージの44.8%しか受けないということはつまり、最終的に55.2%のダメージが減らされたということになります。なので、この時のシールドThermレジスタンス表示は55.2%になります。

まとめると、MOD/ボーナス等のレジスタンス上昇効果を「1-(レジスタンス値/100)」の形に直し、それらを乗算すれば「ダメージが何倍になるか」がわかります。
更に「(1-ダメージ倍率)*100」すれば、最終的なレジスタンス値になります。


と上では簡単に説明しましたが、実際のレジスタンス値計算はもっと複雑です。
というのも、1ヶ所のレジスタンスに対して複数のMODが作用している場合スタッキングペナルティが発生するからです。

有名な例外として、Damage Control(ダメージ制御:通称ダメコン)はスタッキングペナルティの対象になりません。どれだけレジスタンス強化MODを使用しても、ダメコンのレジスタンス上昇効果は減衰することはありません。
また、Reactive Armor Hardener(リアクティブアーマーハードナー)も通常のスタッキングペナルティの対象になりませんただし、ダメコンと併用している場合はスタッキングペナルティを受け、元々の86.9%の効果になります。それ以上減衰することはありません。

以下のMODを装備した時のシールドThermレジスタンスの値を計算してみます。
なお、使う船はT1CaldariBCのDrake(基礎シールドThermレジスタンス20%、全シールドレジスタンス+4%/Lvのシップボーナス持ち)とし、全スキルレベル5のパイロットが乗っているとします。

ボーナス/MOD Therm修正
基礎レジスタンス 20%
シップボーナス +20%(+4%*5)
Damage Control II +12.5%
Multispectrum Shield Hardener II +26%
Multispectrum Shield Hardener II +26%
Thermal Shield Hardener II +44%

MOD以外の修正とDamage Controlはスタッキングペナルティの対象にならないこと、スタッキングペナルティは効果の高い順に適用されていくことにより、各MODは以下の様な補正を受けます。

ボーナス/MOD Therm スタッキングペナルティ補正 補正後の数値
基礎レジスタンス 20% 補正なし 20%
シップボーナス +20% 補正なし +20%
Damage Control II +12.5% 補正なし +12.5%
Thermal Shield Hardener II +44% 100% +44%
Multispectrum Shield Hardener II +26% 86.9% +22.6%
Multispectrum Shield Hardener II +26% 57.1% +14.8%

それぞれの被ダメージに対する倍率を出し、掛けあわせていきます。

ボーナス/MOD Therm SP補正 補正後 ダメージへの倍率 上との乗算
基礎レジスタンス 20% なし 20% 0.8 0.8
シップボーナス +20% なし +20% 0.8 0.64
Damage Control II +12.5% なし +12.5% 0.875 0.56
Thermal Shield Hardener II +44% 100% +44% 0.56 0.314
Multispectrum Shield Hardener II +26% 86.9% +22.6% 0.774 0.243
Multispectrum Shield Hardener II +26% 57.1% +14.8% 0.852 0.207
最終的なレジスタンス数値 1 - 0.207 = 0.793 79.3%

上の計算はあくまで一例ですが、アーマーのレジスタンスでも同じ手順で計算できます。
パッシブMODが混ざっている場合は、コンペンセイション系スキルによりMODのレジスタンス修正値が強化され、計算が面倒になります。なのでここでは触れませんでした。5)


レジスタンスに関する一般論として以下のようなことが言えます。

  • とりあえずダメコンは載せておくべき。
  • 全属性強化を多用するとスタッキングペナルティを強く受けるので、スロット数に余裕がある場合は単属性強化を多用したほうが強い。

Amarr/Triglavian T1 EM Therm Kin Exp
Shield 0% 20% 40% 50%
Armor 50% 35% 25% 20%
Hull 33% 33% 33% 33%
Caldari T1 EM Therm Kin Exp
Shield 0% 20% 40% 50%
Armor 50% 45% 25% 10%
Hull 33% 33% 33% 33%
Gallente T1 EM Therm Kin Exp
Shield 0% 20% 40% 50%
Armor 50% 35% 35% 10%
Hull 33% 33% 33% 33%
Minmatar T1 EM Therm Kin Exp
Shield 0% 20% 40% 50%
Armor 60% 35% 25% 10%
Hull 33% 33% 33% 33%

※例外

Sunesis/Gnosis EM Therm Kin Exp
Shield 27.5% 27.5% 27.5% 27.5%
Armor 32.5% 32.5% 32.5% 32.5%
Hull 33% 33% 33% 33%
CONCORD Ship EM Therm Kin Exp
Shield 33% 33% 33% 33%
Armor 33% 33% 33% 33%
Hull 33% 33% 33% 33%

基本的に、シールドはEM/Thermに弱く、アーマーはKin/Expに弱いという傾向があります。
また、海賊仕様の船のレジスタンスも上の表に準じます。

Tech2/3艦船は上記の値をベースに、2つの属性への耐性が引き上げられています。(いわゆる「T2レジスタンス」)

国籍 上昇幅:大 上昇幅:小
Amarr Exp Kin
Caldari Therm Kin
Gallente Kin Therm
Minmatar EM Therm
Triglavian Exp Therm

上を見てわかるように、各国の敵対国の主要属性に対して耐性を持つようになっています。

また、T2/T3艦船は同一国籍内でも艦種によりT2レジスタンスの伸び幅に差があります。


1)
ElectroMagnetic:電磁気
2)
Thermal:熱
3)
Kinetic:運動エネルギー
4)
Explosive:爆発
5)
それらのスキルによるレジスタンス修正は、スタッキングペナルティと同様に+◯◯%の部分への倍率修正となります。
  • technic/resistance-calculation.txt
  • 最終更新: 2020/11/10 13:51
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