Sansha Headquarters
インカージョンの最高難易度サイト群、Headquarter(通称「HQ」)について解説する。
ここでは、HQ攻略のパブリックフリート、「Warp To Me Incursions」(WTM)及び「The Outuni Project」(TOP)による攻略方法を基本としている。
(この他に有名なパブリックフリートとしては、エリート志向のTLA、ロシアンコミュニティの「New Galaxy Age」(NGA)が存在する)
概要
HQは参加人数40人までで最大報酬を得られるため、40人構成での攻略が基本となる。
最大報酬は1サイト31.5M+CONCORD LPで、1サイトあたりの攻略所要時間は最短で約5分、長くても15分程度で、200M前後の時給が期待できる。
WTMもTDFも参加までの流れは同じで、
- Discordにてフリート募集開始告知が流れる
- 参加希望プレイヤーが専用フォーム(WaitList)で参加申請
- フリート構成を考慮した上で先着順で40人選抜される
- 残りは予備メンバーとなり、欠員が出るたびに呼び出され、順次フリートに参加していく
という形式でメンバー数を確保しており、長時間の連続した攻略を行っている。
それまでの準備として
- 推奨Fitの艦船の準備
- インゲームチャンネルやDiscord内で示されている集合場所への移動
- ボイスチャット用ソフトウェアのTeamSpeak(TS)の導入
- その他ガイドで示されている事項の実施と読み込み
が必要となる。
また、日本語プレイヤー特有の問題になるが、初回参加時には攻略に関する各種ガイドの内容を理解しているかどうかの確認がTSで行われるため、質問内容を聞き取り(できなければテキストに起こしてもらうなどして)、(喋れるに越したことはないが)ボイスチャットかテキストチャットで返答できるようにしておかなければ参加を許可してもらえない。
とはいえ、質問内容自体はガイドを読んでさえいれば簡単に答えられるものなので、もし不安があれば参加経験のある日本人に補助を依頼すればなんとかなるだろう。
フリート構成・使用艦船とロール
フリート構成と使用艦船 | |||
---|---|---|---|
WTM | TDF | ||
DPS | 15-20名程度 | Vindicator Hyperion Tempestなど | Vindicator Megathron |
Kronos | Kronos | ||
Sniper | 10-15名程度 | Nightmare Machariel Bhaalgornなど | Nightmare |
Paladin Vargur Golem | Paladin | ||
Logi | 7-10名程度 | Basilisk Scimitar Loki | Nestor Guardian Oneiros |
Booster | 数名(募集なし)1) | Claymore | Eos Damnation |
フリート編成後、以下の役割を担うプレイヤーが募集される。
フリート内ロール | |
---|---|
VVV | いわゆるDPSアンカー。 TPPH最終層とNRFにおいてDPS艦を先導し、敵の次のポップ位置へ誘導する役割。 FCによってはこれを指定せず各自の操艦に任せることもある。 |
DDD | 通称「ドローンバニー」 Scimitar/Oneirosのトラッキングリンクや味方のライトドローンのアシストを集中して引き受け、フリゲートサイズの小型艦に対処する役割。 ダメージの通りを良くするため、Vindicatorパイロットがこれを引き受ける。 |
HHH | 通称「ヘビードローンバニー」 味方のヘビードローンを引き受ける役割。こちらは大型艦に攻撃する。 ドローンダメージは入り始めるまでラグがあることから、通常のDPSの逆順で攻撃していく。 |
MTAC | TCRCにおいて、ギミック解除のためMTACの投入を行う役割。 トラクタービームが必要で、本隊から少し離れるため射程も必要なことからNightmareやPaladinパイロットがこれを引き受ける。 MJD失敗などの不測事態に備えるために複数指定されることもある。 |
MS | Meat Shieldの略。Boosterの中から指定される。 文字通り肉壁となる役割で、TCRCにおいては先行して進入し、TPPH/NRFでは本隊から離れたところにアンカーすることでプライマリーアグロを引き受ける。 |
用語集
Newbro Speech | 初めてWTM/TDFの攻略フリートに参加する人に対して行われる諮問のこと。 マニュアルを理解しているか、事前の設定はできているか、ブロードキャストは出せるか、といったことが確認される。 TSを聞いている必要はあるが、必ずしもマイクで喋る必要はない。 |
---|---|
Spinning | 「(ハードナーなど)回せる物は回せ」の意。 出港直後によく言われる。 |
Staggering | 同タイプのモジュールを、同時ではなく1/4から半サイクル程度ズラして起動すること。リモートリペアラとシールドハードナーで実施する。 リペアラの場合はオーバーリペアを起こしにくくすることを、ハードナーの場合はニュートによる完全停止を遅らせることなどを目的とする。 |
Gate Status | アクセラレーションゲート起動の許可・不許可の指示のこと。 起動してよい場合は「Gate is GREEN」、起動してはいけない場合は「Gate is RED」となる。 TSで「FC, Gate status?」と聞けば、現在のGate statusを教えてもらえる。 |
Natural Phenomena | デッドスペース内でワープしようとしたときに表示される「You cannot warp there because natural phenomena are disrupting the warp.」という警告文。 メンバーが後から本隊に合流する際はまずFCにワープするが、アクセラレーションゲート前で再度メンバーワープを試行しこの警告文が出れば、フリートがこのサイトを攻略中であることが確認できる。 これは別のサイトに誤って単独で進入してしまうことを防ぐための手順で、「Gate is GREEN if you got Natural Phenomena.」(Natural Phenomenaが表示されるならゲート進入許可)という使われ方をする。 |
Leeroy | リローイ。Gate StatusがREDで、フリート全員がゲート前で待機しているにもかかわらず、ゲートを起動して中へ進んでしまうこと。 見捨てるわけにもいかないためフリートとして進入していかざるを得なくなる。 元ネタのように統制が乱れて損害が出る原因となる行為であり、これを避けるためにFCの指示はきちんと聞かなければならない。 特にTCRCの初動は「Meat Shieldは進入するが他の船はGate is RED」であり、ゲート起動エフェクトに釣られてLeeroyしてはならない。 |
Anchoring | サイト攻略中の移動・位置取りのこと |
Bounce | バウンス。今いる攻略前のサイトから、別のサイトへ移動すること。 TPPH攻略中にNRFやTCRCがスポーンした場合、より短時間でクリアできるそれらへバウンスすることが割とよくある。 |
Contest | コンテスト。1つのサイトに複数のフリートが進入すること。 その場合、そのサイト内で与えたダメージの合計が最も多いフリートのみが報酬を得られ、それ以外のフリートは何も得られない。 |
TCRC Rule | フリート離脱予告の際に添える文言で、「次にTCRCを攻略するなら、TCRCの攻略が終わってから離脱する」という意図を示す。 |
HQ攻略における基本的な作法
- サイトへの進入はFCの指示に従う。独断で進入を開始してはならない。
- メンバー(特にLogi)が不足しているためにサイトへの進入をしばらく待つということはよくある。
- アライン2)してもよいが、場合によっては船を完全に停止させる指示がされることもある。
- 途中参加する場合、本隊を追いかけてアクセラレーションゲートを起動する場合は必ずFCにGate Statusを確認する。
- Gate StatusがREDになるのは、敵の新しいWaveがまもなくポップする場合。
- ポップ直前にランディングしてしまった場合、本隊がランディング位置から遠く離れているため、新Waveのアグロが後から入ってきた1隻に集中する確率が非常に高い。アンカーの都合上その位置はLogiの圏外となるため、リペアが間に合わず沈没する危険性がある。
- 新Waveがポップし、本隊の誰か(基本的にMS)にアグロが集中したことが確認されれば、Gate StatusはGREENになる。
- DPS艦は数字のタグが割り振られた敵を順に攻撃し、Sniperはアルファベットのタグが割り振られた敵を順に攻撃する。
- WTMの場合、X,Y,ZはDPSの攻撃対象となっている。また、Jのタグは攻撃してはならない対象に割り振られる。
- Xのタグは優先して攻撃すべき目標に使われたり、攻撃してはいけない目標に使われたりする。
- なるべく、敵の攻撃を受け始めてからではなく、敵からイエローボックスを受けた段階でリペア要請のブロードキャストを行う。
- キャパシタ残量が30%以下になった場合と、Outuniからのイエロー/レッドボックスを受けた場合にキャパシタ要請のブロードキャストも行う。
- Outuniが残っている場合、Outuniから攻撃されている船以外はキャパシタ要請をしてはならない。
- WTMの場合、敵からの攻撃が止みレッドボックスからイエローボックスに変わった場合、「In position at(現在地)」のブロードキャストを出す。
- その他アーマーフリートの場合、Bastion起動中にレッドボックスとなった場合や、TCRCで一部の敵からのみレッドボックスとなっている場合など、「今すぐではないがリペアが必要になる」という場合にシールド要請を使う。
- マローダーを使用する場合は、Bastionの使用は慎重に行う。また、味方のリペア要請にも注視する。
- 味方が沈んだり敵Waveが全滅したりしない限り、敵のアグロの移行は基本的に約1分間隔で起こる。そのため、自分以外へのアグロが確認できた場合そこから1分間は安全ということであり、Bastionを2サイクル回しても安全と判断できる。
- もちろん、30秒以内にWaveが全滅しそうならば、Bastionを起動してはならない。
- Bastion起動中でもアグロをもらった場合はまずリペア要請を出し、Bastion終了後再度リペア要請を出す。
- Bastion終了まで後何秒残っているか、Bastionが今終了したなどをボイスチャットで通報したほうが良い。
- TCRCでは一部の敵だけがアグロしてくるということも起こるので注意が必要。
- FCからBastionの使用許可/不許可の指示がされることもあるので聞き逃してはならない。
- サイトのクリアが近い場合、速やかに次のサイトに向かうため、Bastionの使用は不許可になる。
- 途中でフリートから抜ける際には、その旨をフリートチャットで宣言する。
- 基本的にサイトクリア前(TPPHのタワーバッシュ中など)に宣言しておき、次のサイト攻略開始前に欠員補充ができるようにする。
- 「-1 Kronos」といった感じで十分。フリートやFCへの謝辞も忘れずに。
- 「-1 Vindi/DDD」「-1 NM3)/mtac」などのように、もしフリート内ロールを引き受けていたならその旨も添える。
各コミュニティの違い
Warp To Me
老舗のインカージョンコミュニティ。"This is EVE"にも登場していて知名度が高い。
シールドFitの艦を使用する。
初心者が使用可能な艦の種類が多く、初心者でも参加しやすい。全体的に初心者歓迎の雰囲気が強い。
攻略の主力となるのはVindicator、Vargur、Paladin、Kronosなどで、本来アーマーFitに適性がある艦も(半ば無理矢理)シールドFitにして運用している。それらはスロット数と防御力の都合上MWDとMJDの併用ができないため、攻略するサイトによって換装する必要がある。
The Ditanian Fleet
WTMと双璧を成していたインカージョンコミュニティ。
WTMとは対照的に、こちらはアーマーFitを使用する。
初心者お断りというわけではないが、アーマーFitでパッシブハードナーを使用する関係上、最低限の防御力を確保するために初心者であっても満たさなければならないスキル要件が存在した。
また、使用可能なT1艦がMegathronしかないため、資産的な余裕がない初心者にはなかなか参加しにくかった。
これらの要因から、WTMに比べてメンバーの初心者割合が少なく、平均練度は高かった。また、TDFの初参加メンバーがWTM経験者であることも珍しくなかった。
そういった背景から総メンバー数はWTMほど多くはなく、Altの使用に積極的。FC陣が大量のAltを投入することもあり、人数が少ない状況でも無理矢理攻略に漕ぎ着けることもあった。
2022年末にリーダーシップ内でのトラブルから機能不全になり崩壊。主要メンバーのほぼ全員がTOP及びTLAに流れた。
サイト等の形だけは残っているが、コミュニティとしてはほぼ機能していない。
The Outuni Project
通称「TOP」
TDF崩壊後に発足したコミュニティの一つ。
TDFと同じく、アーマーFitを用いる。
FitやWaitlist等はTDFとほぼ同じものを使用しており、TDFの直系に近い存在である。
しかし、TDFのエリート層がTLAに流れたことにより、TDFに比べて練度は低めで、初心者がハードルを感じることは少ない。
TLA Incursion
TOPと同じく、TDF崩壊後に発足したコミュニティの一つ。
TDFのエリート成分だけを抽出したようなコミュニティで、メンバーの練度は高く、Alt保有率も高い。
アーマーFitを主力とするが、シールドFitでも参加できるという特異なコミュニティで、常にシールドとアーマー両方のロジが編成されている。
Webサイトに表示されている標準Fitがマローダーしかなく、その他Vindicatorなどについては使用者の裁量に任せると言った具合。
また、サイト攻略時の指示も必要最低限か、それ以下に少なく、パイロットの各自判断で動くことを要求されることもザラ。
このあたりがエリート志向の表れと言えるだろう。
サイト情報
Nation Rebirth Facility
攻略詳細ページ
通称「NRF」。日本語名は「サンシャクローン製造施設」。
最もシンプルなサイト。建造物を攻撃する必要はなく、サイト内のサンシャ艦を殲滅することでクリアとなる。
初期配置以外の全ての増援が2箇所に分かれてポップするため、片方を近接DPS、他方をSniperが攻撃する形で攻略していくことになる。
True Creations Research Center
攻略詳細ページ
通称「TCRC」。日本語名は「トゥルークリエーション研究センター」。
最も早く攻略できるが、最も危険が大きいサイト。
早く攻略できる理由は、クリア条件が初期配置の建造物「Sansha Battletower」を破壊することであり、艦船を殲滅する必要がないため。
ただし初期配置の敵が多く、これらの攻撃を凌ぎながら建造物を破壊しなければならない。
True Power Provisional Headquarters
攻略詳細ページ
通称「TPPH」。更に略して「PP」などとも。日本語名は「トゥルーパワー仮本部」。
内部にアクセラレーションゲートが2つある、3層構造のサイト。
最終ルームの3波目の敵艦を殲滅することで出現する建造物「True Power Mobile Headquarters」4)を破壊することでクリアとなる。
ゲート移動があるため攻略に時間はかかるが、これといった難所もなく、一番安定して攻略できるサイトとなっている。
The Kundalini Manifest
いわゆるMotherShip(MS)サイト。侵略度が0%まで低下すると出現する。
このサイトを攻略してしまうとそのコンステレーションでのインカージョンが終了してしまってそれ以上稼げなくなるため、基本的にこれを攻略するのはスポーン終了直前のみ。
攻略の流れとしては以下の通り。
- Lirsautton Parichaya(Fighter Bomber)をまず全力で殲滅する。DPSはそこまで高くないもののボレーダメージが極めて大きく、集中攻撃を受けてしまうと沈没の危険性がかなり高い。
- Arnon Epithalamus(ECM), Outuni Mesen(Heavy Neut)を排除する。
- The Kundalini Manifest(MotherShip)を攻撃する。なおこれはRemote ECM Burstを持っているため、定期的に全てのロックオンが強制的に解除されてしまうことは頭に置いておく。
ローセクの場合、サイト名は「Uroborus」であるが、内容は一緒。
Enemy:Headquarters
Scram
ワープ妨害持ちの敵一覧。
TCRC攻略やバウンス時などはこれらを殲滅していなければならないので、頭に入れておくと役に立つ。
諸元
NPC | 通常速度:MWD速度 | 旋回距離 | DPS | EHP | |
---|---|---|---|---|---|
Antem Neo | 205m/s : 1,350m/s | 60km | 168DPS | 88k | |
Arnon Epithalamus | 210m/s : 1,300m/s | 50km | 164DPS | 65k | |
Auga Hypophysis | 170m/s : 1,100m/s | 6km | 480DPS | 52k | |
Deltole Tegmentum | 118m/s : 850m/s | 12km | 818DPS | 179k | |
Eystur Rhomben | 560m/s : 3,360m/s | 11km | 120DPS | 9k | |
Intaki Colliculus | 140m/s : 980m/s | 50km | 282DPS | 316k | |
Mara Paleo | 310m/s : 2,050m/s | 60km | (攻撃兵装なし) | 30k | |
Niarja Myelen | 405m/s : 2,760m/s | 15km | (攻撃兵装なし) | 4k | |
Ostingele Tectum | 118m/s : 850m/s | 40km | 528DPS | 290k | |
Outuni Mesen | 110m/s : 790m/s | 18km | 352DPS | 215k | |
Renyn Meten | 410m/s : 2,550m/s | 9km | 192DPS | 9k | |
Romi Thalamus | 205m/s : 1,520m/s | 18km | 320DPS | 106k | |
Schmaeel Medulla | 640m/s : 4,000m/s | 12km | 50DPS | 9k | |
Tama Cerebellum | 355m/s : 2,100m/s | 12km | 300DPS | 8k | |
Uitra Telen | 260m/s : 1,500m/s | 30km | 132DPS | 132k | |
Vylade Dien | 170m/s : MWDなし | 60km | (攻撃兵装なし)5) | 275k | |
Yulai Crus Cerebi | 118m/s : 800m/s | 60km | 397DPS | 118k |