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ダメージ計算式

きちんとFitされ、武装に弾薬を装填された船であれば、装備画面でDPSを確認することができます。
しかし、常にこのDPSが発揮されるわけではありません。様々な要素によって、与えられるダメージは減衰します。

ここでは、何が原因でダメージが減衰し、最終的にどれだけのダメージが与えられるのかを詳しく解説します。

EVEにおけるダメージ計算は、

  • タレットのダメージ計算
  • ミサイルのダメージ計算

の2種類に分けられます。

なお、ドローンの場合、FighterBomber(艦載爆撃機)にはミサイルのダメージ計算が適用され、それ以外のドローンは全てタレットのダメージ計算が適用されます。


ミサイルのダメージ計算

ミサイルのダメージ計算はタレットとは異なり、目標までの距離がダメージに影響しません。
まずミサイルが命中するかどうかが問われ、命中しなければもちろんダメージはありません。命中した場合にのみ、ダメージ計算が実行されます。

また、ミサイルのダメージは自艦や目標の動きにほとんど影響されません。
そのためタレットに比べて戦闘中にダメージが変動することが少なく、ほとんど一定したダメージを与えられます。
この「実際に与えられるダメージ」を指して、カタログスペック上でのダメージ量と対比し「実効ダメージ(Effective Damage)」という言葉がよく使われます。

ミサイルには「Velocity(速度=飛行速度)」「FlightTime(飛行時間)」というパラメータがあり、ミサイルが発射されてから飛行時間を使い切るまでに目標に到達すれば、命中となります。
このため、射程距離すなわち目標に命中しうる距離は「(Velocity)*(FlightTime)」で算出されますが、実際には自艦と目標の動きによって見かけ上の射程距離は変化します。

具体的には、目標が自艦に近づくようにに動いていた場合、ミサイルが発射されてから着弾するまでに距離が詰まるため、射程距離より遠くからミサイルを撃ったとしても命中する場合があります。
逆に目標が自艦から逃げるように動いていた場合、ミサイルが発射されてから到達するまでに目標は元々いたところより遠ざかっているため、命中するにはより長い射程距離が必要になります。

目標がミサイルの飛行速度より速く動いていた場合には、ミサイルが追いつけないためほとんど命中しなくなります。
また、ミサイルにはHPが設定されており、攻撃を受ければ破壊されることがあります。ボムやスマートボムと言った範囲型兵装やDefenderMissile(防衛ミサイル)などを受け破壊されれば、もちろんミサイルは目標に命中することはありません。

そのような状況でなければ、基本的にミサイルは射程内の目標に対してほとんどの場合命中します。

ミサイルのダメージ倍率(DamageMultiplier)の計算式、そしてそれに影響する要素は以下のようになっています。

DamageMultiplier

Min Minimum 括弧の中身のうち一番小さいものが適用されるという意味。
Rs SignatureRadius シグネチャ半径。この場合は命中時の目標のシグネチャ半径を指す。
Re ExplosionRadius ミサイルの爆発半径のこと。
Ve ExplosinVelocity ミサイルの爆発速度のこと。
Vt TargetVelocity 目標速度。命中時に目標の出していた速度を指す。
drf DamageReductionFactor 詳細は後述。

これで算出されるダメージ倍率をミサイルの元々のダメージ量に掛けることで、実際に与えられるダメージ量が算出できます。


と、単に数式だけを見せられてもなんのこっちゃという人もいると思うので、簡単に解説すると

  • 爆発半径がシグネチャ半径より小さく、かつ爆発速度が目標速度より速いのであれば、ダメージは減衰せず100%相手に与えられます。ただし、ミサイルの元々のダメージ量を上回ることはありません。
  • 爆発半径がシグネチャ半径よりも大きい場合、与えるダメージは減衰し、半径比1)がダメージ倍率となります。
  • 爆発速度が目標速度より遅い場合もダメージが減衰しますが、爆発半径が大きい場合に比べ減衰の仕方は緩やかです。
    また、爆発速度が遅くても爆発半径が十分に小さい場合、ダメージが減衰せず100%相手に与えられることがあります。
  • 爆発半径が大きく爆発速度も遅い場合は、ダメージ倍率が半径比よりも小さくなり、与えるダメージはより減衰します。

これを更に視覚的にわかりやすくしたものが、以下のグラフになります。

T1Rocket

中央から左へ伸びる軸が速度比2)で、中央から右へ伸びる軸が半径比、縦の軸がダメージ倍率となります
爆発速度が目標速度より遅い場合(=速度比が1以下)でも、ダメージが100%になる部分があることが見て取れると思います。


これらにより、以下のことがわかります。

  • ミサイルの実効ダメージを大きくしたいのであれば、爆発速度を上げたり敵の速度を下げたりするよりも、爆発半径を小さくしたりターゲットペインターを使ったりするほうが効率的。
  • ミサイル攻撃を受けている時にMWDを使うと、その速度によってミサイルを振りきっているか、あるいはMWDのシグネチャ半径ペナルティを軽減するボーナスを持っていない限り、受けるダメージは増加する。

Damage Reduction Factorとは、各種ミサイル弾薬が固有で持っているステータスの一つです。
ただしゲーム内ではマスクデータとなっており、閲覧することができません。
しかし、CCPが公式で配布している開発支援キットに付属するデータベースには記載されており、そのためEFTのCharge InfoやEVEMonのItem Browserなどで確認することができます。

DRFとは、簡単に言うと「爆発速度と目標速度の関係がどれだけダメージ倍率へ影響するかを表す数値」で、これが大きいほど速度比の影響を受けやすくなります。

T1Rocket
T1Torpedo

上はDRFが3のT1Rocket、下はDRFが5のT1Torpedoのダメージ倍率グラフです。
少しわかりにくいですが、同じ速度比・同じ半径比であっても微妙に倍率が異なり、drfが大きいT1Torpedoの方が、減衰している範囲で全体的にダメージ倍率がより低くなっていることが確認できます。

以下がDRFの一覧です。

Missile Type DRF
Precision Light Missile 2.6
Precision Heavy Missile 2.7
Auto-Targeting Light Missile 2.8
Light Missile 2.8
Rocket 3
Heavy Missile 3.2
Auto-Targeting Heavy Missile 3.2
Javelin Rocket 3.2
Fury Light Missile 3.2
Precision Cruise Missile 3.5
Cruise Missile 4.5
Auto-Targeting Cruise Missile 4.5
Rage Rocket 4.5
Citadel Cruise Missile 4.5
Fury Heavy Missile 4.5
Heavy Assault Missile 4.5
Javelin Heavy Assault Missile 4.6
Fury Cruise Missile 4.7
Rage Heavy Assault Missile 4.8
Torpedo 5
Javelin Torpedo 5.2
Rage Torpedo 5.2
Citadel Torpedo 5.5
FighterBomber 6.53)

1)
シグネチャ半径を爆発半径で割ったもの
2)
爆発速度を目標速度で割ったもの
3)
FighterBomberのダメージ計算においては「ln(drf)/ln(5.5)」が1を超えるため、半径比と速度比の関係が他の場合とはやや異なる。
が、ここでは省略。興味があるなら自分で計算してみると良い。
  • technic/damage-calculation.1405327597.txt.gz
  • 最終更新: 2014/07/14 17:46
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