参照:EVE Help Center - Player Owned Structures
以下、このページ内ではアップウェルストラクチャのことを一貫して「建造物」と称します。
建造物の設置はコーポレーション名義で行われます。NPCコープに所属しているキャラクターでは設置できません。
建造物を設置するキャラクターにはStation Manager(ステーション管理者)の権限が与えられている必要があります。
建造物は以下のシステムには設置できません。
まず、建造物を船のカーゴに入れて設置場所近くへ持っていく必要があります。
設置場所は他の建造物等及び天体の0mワープポイントから1000km以上、天体から4000km以上離れていなければ設置できません。また、船からも5000m以上離れている必要があります。
設置位置の水平移動(左ドラッグ)と設置方向の水平回転(右ドラッグ)は出来ますが、上下移動等は出来ないので、調整が必要な場合2)は事前に高さを合わせておくようにしましょう。
設置可能な位置であれば建造物が青い表示になります。「Position」クリックで設置場所を確定します。
設置場所が決まったら、次は建造物の名称と適用するプロファイル及びリインフォース明け時刻の設定になります。
これが完了したら、15分間の攻撃可能時間を経て係留開始となります。係留には通常24時間かかりますが、プレイヤーが領有可能なNull-secにおいて、自アライアンスが領有していないシステムに設置する場合はStrategic Indexの影響を受けます。
なお、係留中はInvulnerable(無敵)状態であり、攻撃を受け付けません。
係留が完了すると同時にInvulnerable状態が終了し、建造物はRepairingモードに入ります。FLEXではない通常の建造物は、この間にQuantum Coreを投入しなければなりません。
係留完了時点ではシールド/アーマー共に全損状態で、ストラクチャでダメージを受ける状態になっています。また、MODの装備等もこのRepairingモード終了まで出来ません。そのため、ここで攻撃に晒されると建造物は比較的簡単に破壊されてしまいます。
通常の建造物は、Quantum Coreを投入しないとRepairingモードのカウントダウンが開始しません。
攻撃を受けなければRepairingモードは15分で終了して、シールド/アーマー/ストラクチャが全回復します。
建造物の設置時に必要となるアイテム。これが投入されていないと、建造物の係留後のリペアタイマーが進行しません。
言い換えれば、このアイテムがないと建造物をオンライン化できません。
Quantum Coreは、建造物の指定のハンガーに投入することで効果を発揮します。
24時間の係留待機時間が終了した後、Quantum Coreを持って建造物に入港して、建造物をコントロールして投入します。
Quantum Coreは、建造物の破壊時に100%の確率でドロップする特性があります。
Quantum CoreはNPCが販売していますが、非常に高額です。
建造完了している建造物は、コープを指定して譲渡することができます。
Station Managerの権限を持っていれば譲渡を行うことができます。ただし遠隔ではできないので、建造物のある場所まで実行者は行く必要があります。
ただし以下の場合は譲渡ができません。
建造物の右クリックメニューから譲渡は実行できます。
コープを指定しOKを押すと、その時点で建造物は指定したコープの所有になります。これには待機時間等はなく、即時で実行されます。
プロファイルは譲渡先コープのデフォルトのものが適用されます。
プロファイルは、建造物の各種サービスに対して他のプレイヤーがアクセスする権限を設定するものです。
プロファイル及びアクセスリストがまだ作成されていない場合、所属コーポレーションの全てのメンバーに全てのアクセス権限を付与する設定(コープ名と同じ名前のプロファイル)がデフォルトで適用されます。3)
プロファイルはコーポレーションで管理・共有するものです。
Station Manager(ステーション管理者)の権限を持っているキャラクターが、コーポレーションで保有している各建造物に適用するプロファイルの選択及びプロファイル自体の内容を設定する権限を持ちます。
プロファイルはストラクチャブラウザから管理します。これは権限を持っているキャラクターのみ閲覧できます。
プロファイル設定画面の左側はコープ保有のプロファイル一覧となっており、選択したプロファイルが適用されているストラクチャの一覧及びプロファイルの内容が右側に表示されます。
これから分かる通り、1つのプロファイルを複数の建造物に適用することができます。
プロファイルによる権限設定には後述のアクセスリストを使用します。
プロファイル内の各項目で指定されているアクセスリストに属するキャラクターに、サービスへのアクセス権が与えられます。複数のアクセスリストで指定することもできます。
また、マーケット手数料などのサービス利用に対する税率は、アクセスリストごとに異なる設定にできます。
アクセスリストとは、簡単に言うならば「プレイヤー/コーポレーション/アライアンスなどをグループとして扱うためのリスト」です。
プロファイルとセットで建造物のアクセス権を制御するほか、共有ブックマークの権限の制御にも使います。
例えば、「Aというアクセスリストに入港を許可する」とプロファイルで設定されている場合、Aというアクセスリストに含まれているキャラクター及びコーポレーション/アライアンスのメンバーに対して入港が許可されます。
Admin(管理者) | アクセスリスト内の全ての権限設定が可能4)。当然、Memberでもある。 |
---|---|
Manager(監督者) | そのアクセスリストに新たな「Member」及び「Blocked」を追加できる権限を持つ。こちらも当然、Memberでもある。 |
Member(メンバー) | アクセスリスト内に存在していて、建造物プロファイルや共有ブックマークによる権限割り当ての対象になる。 コーポレーションやアライアンス単位で指定することもできるほか、「全てのプレイヤー」を指定することもできる。 |
Blocked(ブロック済み) | Memberに設定されている対象のうち、Blockedされているものはこのアクセスリスト内に存在しないものとして扱われる。 こちらもコーポレーションやアライアンス単位で指定することもできる。 |
アクセスリストの管理権限は他の機構から完全に独立していて、コーポレーションでどのような権限を持っていても影響されませんし、アクセスリストの管理権限を持っているからといってストラクチャの管理権限も与えられるというわけでもありません。
あくまでもアクセスリスト内の権限は、「そのアクセスリストに誰を加え、誰を外すか」を決めるための権限でしかありません。そのため、コープやアライアンスの垣根を超えてアクセスリストの管理を行うということも可能です。
各個人のアクセスリスト一覧には、自分がAdminあるいはManagerに指定されている(=Memberを編集できる)もののみが表示されます。また、アクセスリストの権限変更ログも閲覧できます。
アクセスリスト一覧には、デフォルトで「自分が所属するコーポレーションのメンバー全員」が属するアクセスリストが用意されています。このデフォルトアクセスリストは追加や変更を行えません。
同じアクセスリストに属するメンバーには、プロファイルによって一律の利用権限が与えられます。なので、アクセスリストは権限の上下や関係の強さで分けるべきです。
例えば、「建造物管理者メンバー」「所属コープ/所属アライアンス」「コアリションメンバーその他友好勢力」「一時的な友好関係」などと言った感じになるでしょう。最低でも、建造物の管理者となるキャラクターと単なるサービス利用者は別のアクセスリストに入れる必要があります。
建造物はステーションと同様に、艦船がドックインできます。
ドックインできる艦種は建造物種類によって異なり、基本的に大きい建造物ほど大きい艦船がドックインできます。
ただし、ドックインするにはドックイン権限が必要です。また、ワープ妨害を受けているとドックインできません。
ドックイン権限を持っているかどうかはアイコンから判別できます。
各建造物にドックインできる艦船 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
サイズ | Citadel | Engineering Complex | Refinery | |||
M | Astrahus | サブキャピタル及びフレイターまで | Raitaru | サブキャピタル及びフレイターまで | Athanor | サブキャピタル及びフレイターまで |
L | Fortizar | スーパーキャピタルを除くキャピタル艦まで | Azbel | サブキャピタル及びフレイターまで | Tatara | サブキャピタル、フレイターとRorqual |
XL | Keepstar5) | スーパーキャピタルを含めた全ての艦種 | Sotiyo | スーパーキャピタルを除くキャピタル艦まで |
なお、Azbelにキャピタル艦を、Sotiyoにスーパーキャピタルをドックインさせることはできませんが、それらを内部で建造した場合は、出港させるまでは保管しておくことができます。
ドックイン権限を与えられたパイロットが建造物の周囲10km以内に入ると、建造物からテザー(Tether:係留)を受けることができます。
テザーを受けている船はロックオンを受けずダメージも受けない無敵状態となります。また、艦船のHPとオーバーロードによるモジュールのダメージも徐々に回復します。
ただし、他艦船との接触判定は残るので、バンプ6)は受ける状態のままです。
以下の行為をするとテザーを受けられなくなります。あるいはテザー状態が切れます。
建造物は艦船とほぼ同様の装備システムを持ち、モジュール及びリグによる強化・機能追加ができます。また、ファイターベイを持つので戦闘機の運用もできます。
建造物をコントロール下に置くことで、装備している火器・EWARおよび戦闘機を使用できます。これらの使用にスキルは必要ありません。また、通常のスキルやインプラント、特殊天体の影響も受けません。
建造物用のスキルでのみ、建造物用モジュールを強化できます。
建造物をコントロールしているときの「装備」画面は、艦船ではなくその建造物の装備画面になります。ここから建造物の装備変更ができます。
建造物に使用するモジュール及びリグは建造物専用のもので、艦船のものとは別になっています。ただし、戦闘機はCV/MSが使用するものと同一です。
また、リグは艦船のそれとは違って、各サイズごとにラインナップが全く違っています。具体的には、大型のものほど複数の機能が統合された強力なものになっています。加えて、建造物の設置場所のセキュリティ区分によって効果が変わるという特徴があります。
艦船と建造物の装備体系の最大の違いがこのサービスモジュールです。
建造物にはサービススロットが存在し、ここにサービスモジュールを装備してオンラインにすることで、建造物内での再処理、クローン設定、生産などの活動が可能になります。
サービスモジュールの維持には燃料ブロックが必要です。オンライン化のときに一定数消費し、その後も定期的に消費されていきます。建造物の燃料ベイに燃料ブロックを常時入れて置かなければなりません。燃料ブロックは4種類存在しますが、どれを入れても問題なく使用できます。
逆に言えば、サービスモジュールを利用しないのであれば燃料を使わずに建造物を維持できます。ただし、オンライン状態のサービスモジュールがない建造物は「ローパワーモード」となり、シールドとアーマーのHPが75%減少する上に、シールド全損時にリインフォースに突入せずそのままアーマーを攻撃できるようになる(リインフォース発動がアーマー全損時の1回のみになる)という、防衛上の重大な弱体化を受けます。ローパワーモードの建造物は名称の末尾に[Low Power]と記載されるので、誰でも簡単にそうなっていることを判別できます。
建造物は、自動ワープ妨害を除いて自動反撃機構を持ちません。周囲の敵に対してはプレイヤーが建造物をコントロールし攻撃しなければなりません。
建造物の被害を軽減する機構に以下のような物があります。
建造物に対して攻撃した場合、その船は最初の攻撃をしてから20秒間は強度無限のワープ妨害ペナルティ(スクラムではない)を受けます。
ただしワープが妨害されるだけであり、ロックオンされているわけではないのでクローク等は問題なくできます。また、そのタレットあるいはランチャー等を起動し続けている間は自動のワープ妨害を再度受けることはありません。
建造物のアーマーとハルは、一定時間内に受けるダメージに上限があります。
これはと建造物の種類とHPによって決まっており、上限に届くダメージを与え続けた場合、Citadelであれば24分、Engineering Complex及びRefineryであれば16分で全損するようになっています。10)
ダメージリミット(DPS) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
サイズ | Citadel | Engineering Complex | Refinery | |||
M | Astrahus | 5,000 | Raitaru | 5,000 | Athanor | 5,000 |
L | Fortizar | 15,000 | Azbel | 15,000 | Tatara | 15,000 |
XL | Keepstar11) | 75,000 | Sotiyo | 75,000 |
建造物は全属性20%レジスタンスを備えています。上記のダメージリミットは実ダメージに適用されるため、実際にはこの1.25倍のDPSが必要になります。
上限を超えたダメージは0となり無視されます。
なお、この上限判定は20秒おきに行われているため、Artilleryのような高威力で発射間隔が長い武器でもダメージが無駄になりにくくなっています。
建造物が破壊あるいは係留解除されるなどした場合、その中にあった個人及びコーポレーションの資産は付近のステーションに移送されます。これはAsset Safetyシステムと呼ばれます。
Asset Safetyが作動する条件は以下のとおりです。
対象となった資産は資産画面の「Safety」タブから確認できます。
Asset Safetyが作動して5日後以降に、それらの資産を同じシステムにある任意の建造物及びステーションに無料で移送することができます。(手動移送)
作動から20日経過した場合、以下の場所にアイテムが移送されます。
この場合、回収するために推定価格の15%のISKを支払う必要があります。(自動移送)
なお、Asset Safetyの対象となるのはハンガーの中身のみであるため、実行中の生産ジョブに関わるアイテムなどは保護されません。これらは建造物の破壊・係留解除時にドロップします。 また、WH内の建造物ではAsset Safetyが作動しません。それらのアイテムは、コンテナに入れられた状態で建造物のあった場所に即座にドロップします。
建造物が何らかのダメージを受けた場合、または建造物の係留完了後及びリインフォース終了後に、建造物はRepairingモードに移行します。
Repairingモードは15分間のタイマーが作動し、終了時に全層のHPが全回復します。
ダメージリミットの1/10以上のダメージを受けている間、Repairingモードのタイマーは一時停止12)します。そのため、Repairingモードが15分で終わるとは限りません。むしろそれよりも長くなることが普通と言って良いでしょう。
また、Repairingモード中は建造物のFitを変えることができません。
建造物にはHPを回復させるMODがありません。また、外部からのリモートリペアも受け付けないので、建造物のHPを回復させる手段はこのRepair機能のみとなっています。13)
Repairingモードのカウントダウンが終了するより前にその層のHPが0になった場合、建造物はReinforceモードに移行します。
Reinforceモードの解除時刻は、建造物がMサイズかLサイズ以上かで異なります。
Reinforceモードが終了すると建造物は自動でRepairingモードになります。このRepairingは上述のものと同様で、カウントダウンは15分、終了すれば全層のHPが全回復します。
ただし、攻撃を受けリインフォースに突入し、その後ハルが攻撃可能状態になった際のリペアタイマーは30分間継続します。
リインフォース解除時刻は建造時に指定できる他、あとから変更もできます。ただし変更の適用には30日間の待機を要します。
また、建造物に対してハッキングを行うことで、その建造物のリインフォース解除時刻設定と設定変更予定を誰でも知ることができます。
建造物においてオンライン状態のサービスモジュールがない場合、建造物はローパワーモードとなります。
ローパワー時はシールドとアーマーのHPが75%減少する上に、攻撃を受けたシールドHPを全損してもリインフォースにならず、そのままアーマーを攻撃することが可能になります。
アーマー全損時の最終リインフォースはローパワーでも発動します。
ローパワーモードが7日間継続すると、建造物はアバンドンモードに移行します。
この状態ではリインフォースが一切発動せず、攻撃開始から続けてそのまま破壊することができます。
加えて、この状態ではテザー機能が作動しないほか、Asset Safetyも発動しません。中に貯蔵されていた資産は、破壊時にその場にドロップします。