Citadelなどのコープ/アライアンス単位で管理するストラクチャ(建造物)と対比して、個人規模で扱えるストラクチャを総称してモバイルストラクチャと呼びます。
共通する特徴として以下の仕様があります。
Mobile Tractor Unit(モバイルトラクターユニット)、通称「モバトラ」あるいは「MTU」は、再利用可能なモバイルストラクチャです。
設置すると、設置者が権利を持つ残骸及びドロップコンテナ4)のうち一番近いものをトラクタービームで引き寄せ、その中身をユニット内部のカーゴホールドに格納、次に近い残骸を引き寄せ・・・という動作を繰り返します。
MTUはNPCの攻撃対象にならないため、NPCに囲まれている様態でも問題なく展開できます。
ミッション場所などに到着し次第展開すれば、NPCを倒すたびにその残骸を自動で回収してくれます。
ただしサルベージまでやってくれるわけではないので、サルベージまでやりたい場合は別途手段を確保しておく必要があります。ただ、残骸を1箇所に集積する上にドロップアイテムもカーゴ内に集積されているため、NPC掃討後のサルベージ作業はMTUを使用しない場合に比べて楽になります。
なお、トラクタービームの性能自体はさほど高くなく、また一度に1つずつしか引き寄せないという性質のため、Noctisなどの完全上位版にはなっていません。
MTUを2つ並べて設置すると、一番近くの(トラクタービームで引かれていない)残骸を引き寄せるという性質から
というキャッチボール現象が発生します。1箇所に置くMTUは1つにしましょう。
上位版のMTUは通常版よりトラクタービームの性能が良く、更にセンサー強度が上がっているためコンバットプローブで特定されにくくなっています。
Mobile Depot(移動式貯蔵庫)は回収して再利用できるモバイルストラクチャです。
音訳してモバイルデポ、あるいは略してモバデポ、更に略してデポと呼ばれることが多いです。
デポの機能及び役割は以下の2つです。
デポ自体の体積は小さいため艦船のカーゴで容易に運べますが、デポを設置完了するとそれより遥かに大きい体積のアイテムを保管できるコンテナになります。
しかも、アイテムの出し入れは設置した本人にしか出来ないうえに、攻撃を受けるとリインフォース(無敵)モードが作動して一定期間破壊不可能になるため、期限付きではあるものの中身の安全は確保されます。リインフォース中でも、中身と本体の回収はできます。
ただし、収納した時点でコンテナとしての機能を失うため、カーゴホールドの拡張には使えません。デポ収納時に中に保管されていたアイテムはJet缶で射出されます。
そしてもう一つの重要な機能が、デポを展開したキャラクターは、デポの周辺で装備の換装を行えるようになるということです。
SMBと同様、MOD換装だけでなく、ドローンをカーゴからドローンベイに移動させたり、T3CLのサブシステム交換もできます。
特にT3CLはサブシステム交換で移動用、探索用、戦闘用に大きく装備を変えられるため、これを持っていれば根拠地から離れたところでの活動の大きな助けになります。
上位品のデポは保管体積が通常より大きく、更にセンサー強度が上がっているためコンバットプローブで特定されにくくなっています。
Mobile Cynosural Inhibitor(モバイルサイノシュラルインヒビター)は使い捨てのモバイルストラクチャで、これを展開していると、これを中心に半径100km以内ではサイノシュラルフィールドを展開できなくなります。
ただし、光学迷彩サイノシュラルフィールド(Covert Ops Cynosural Field)の展開は妨害できません。また、これの展開完了によって、既に展開済みのサイノシュラルフィールドが解除されるということもありません。
味方領内で敵にサイノを使わせたくない、という場合ならTenebrexを使うため、どちらかと言うとこれは攻撃的な性質を持ちます。
サブキャピタル艦隊でPvE艦や採掘艦(特にキャピタル艦)を襲撃する際にこれを展開し、救援のカウンタードロップをさせない、という使われ方をすることがほとんどです。
高度な使い方としては、Citadelなどの敵建造物近くでこれを展開し、展開完了直前にサイノシュラルフィールドを点火し味方のキャピタル艦隊を展開しつつ、敵からのカウンタードロップは阻止する、といった運用法も考えられます。
Cargo Container(カーゴコンテナ)はモバイルストラクチャに分類されますが、他のものとは異なり、宇宙空間だけでなく船内やステーション内でも活用されるアイテムです。
概ね、以下のような使い方があります。
組み立て済みのカーゴコンテナを射出することで、宇宙空間にコンテナが設置できます。これにはアイテムを投入できますが、いわゆるJet缶とは異なり時間経過で消失することはありません。
アイテムの保管に関してはMobile Depotの方が遥かに優秀なので、その目的でこちらが使われることはほとんどありません。ただしMobile Depotとは違い、こちらは誰でもアイテムを出し入れできる特徴があります。
また、名前を自由に変更できることを利用して、簡易メッセージボードとして設置されることが多く見られます。
Cargo Containerの多くは、それ自体の体積よりも中に格納できる体積の方が大きいという4次元ポケットのような構造になっています。うまく利用すれば、カーゴホールドの容量以上の荷物を運ぶことができます。ただし、Containerの中にContainerを入れることはできないため、無限に容積を増やすといったことはできません。
なお、Containerの中はカーゴホールドとして扱われないため、Containerに入れた弾薬を直接タレット等に装填することはできない、という点に注意が必要です。
個人用アイテムハンガーは各ステーションに1人当たり1つしかなく、コーポレーションハンガーも数に限りがあります。そのため、大型のステーションコンテナを用いてハンガー内部を区切って整理する、ということが一般的に行われています。
Cargo Containerには以下の種類があります。
Standard Container 標準コンテナ | 特に変わった機能のない標準的なコンテナ。 カーゴホールドの拡張などに用いられる。 |
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Secure Container セキュアコンテナ | 標準コンテナの上位版。 追加機能として、宇宙空間に射出・係留しパスワードを設定すると、射出した本人及びパスワードを知っている人間以外にはアイテムの出し入れができなくなる。 ただしこの機能は、セキュリティステータスが0.7以下の宙域でのみ有効。 |
Audit Log Container 監査コンテナ | セキュアコンテナの上位版。 パスワード設定によりアイテムの出し入れ制限ができる他、内部のアイテムを個別でロックダウンもできる。更に、パスワード変更やロック関係の操作等の履歴を閲覧することもできる。 ただし、個人のハンガーにある状態だとパスワードを知らなくてもロックなどを全て解除できてしまうため、全く意味がなくなる。 このため、この機能はコンテナ移動に制限を掛けられるコーポレーションハンガーで使用することで初めて意味がある。 パスワードをかけていない状態での機能は標準コンテナと変わりない。 |
Freight Container 貨物コンテナ | 大容量コンテナ。ただしコンテナの体積と容積が同じため、輸送体積は増えない。 主にフレイターのカーゴホールドの区切りに使用される。 |
Station Container ステーションコンテナ | 超大容量コンテナ。組立済みのものはフレイターのカーゴホールドにも入らないため、輸送には使えない。ハンガーの区切りに用いられる。 監査コンテナの機能も併せ持っている。 |
Mobile Warp Disruptor(移動式ワープ妨害器)は、バブルを展開するストラクチャです。
バブルなので、当然High/Lowsecでは使用できません。
DictorやHICのバブルとは違い即時展開はできないものの、一度展開してしまえば寿命(1日~2週間)に達するか、破壊あるいは回収されないかぎりバブルを展開し続けられます。
その性質上、どちらかと言えば守り・待ち伏せに向いているといえます。
Mobile Micro Jump Unit(モバイルマイクロジャンプユニット)はその名の通り、周囲の艦船にMJDと同様の100km瞬間移動を可能にさせるストラクチャです。
これは誰が設置したかに関係なく、質量がフレイター以下の艦船であれば誰でも利用することが出来ます。
設置済みのこのストラクチャに近づいていれば利用でき、起動後の挙動はMJDと全く変わりません。スクラムを受けている時に起動できないのも変わりません。
ただし3分間の再起動制限のようなものはなく、Micro Jump Unitでの到着先にあらかじめMicro Jump Unitを展開しておき連続してマイクロジャンプする、ということも一応は可能です。
持続期間は多少長いものの使い捨てで再利用不可であり、しかも誰でも使用できるということもあって、有効な使い方というものがいまいち確立されていません。
Alliance Tournamentの試合会場に設置されているもの以外を見ることはほとんどないでしょう。
Mobile Scan Inhibitor(モバイルスキャンインヒビター)は使い捨てのモバイルストラクチャで、設置済みのこれの周囲にある物体は指向性スキャン及びスキャンプローブ(コンバットプローブを含む)に映らなくなります。
ただし、スキャンインヒビター自体はその効果の例外で、指向性スキャンで探知でき、コンバットプローブには容易に捕捉されます。
そのため、「何が存在するのか」を隠すことは出来ますが、「何かが存在している」ということ自体を隠蔽することは出来ません。
また、あくまでスキャンから隠蔽するのみなので、サイノやESSといったグローバルビーコンをOVに映らなくするといったことも出来ません。
副作用として、スキャンインヒビターの効果範囲にある艦船は、指向性スキャン及びスキャンプローブで何も捕捉できなくなります。
また、ワームホールからは一定距離を置いて設置しなければならず、ワームホールを隠蔽することは出来ません。
使い捨てのくせに値段が高く効果時間も短いため、あまり積極的に用いられている様子はありません。
Mobile Cynosural Beacon(モバイルサイノシュラルビーコン)は使い捨てのモバイルストラクチャで、船から独立してジャンプドライブ用のサイノビーコンを点火することができます。
設置してから起動までに2分かかり、ビーコン点火状態を最大で1時間維持します。
同じ設置式のビーコンであるPharoluxとは違い、このサイノビーコンを利用できるのは、これを設置した時点で設置者が所属していたフリートのメンバーに限られます。
設置後に設置者がフリートを脱退したり撃沈させられたりしたとしても、ビーコン自体が破壊されるまでそのフリートメンバーは問題なくそのビーコンを利用することができ、また別のフリートに対して移管されるということはありません。
通常のサイノと同様に、ジャンプドライブが制限されている領域(ハイセクやWH等)で使用することはできません。
また、通常版の他に、CovertCyno版のモバイルビーコンもあります。
Mobile Observatory(移動式観測所)は使い捨てのモバイルストラクチャで、同じソーラーシステム内にいる船のクロークを解除させる機能を持ちます。
通常の設置制限に加え、W-Space等にも設置できない制限があります。
設置後から10分間隔で10回、解除信号をソーラーシステム全域に送信します。
ただし、これによりクロークが解除させる確率は100%ではなく、またクロークしている側のクローク安定時間中はクロークが解除されることはありません。
加えて、これによってクロークが解除された後でもクローク起動に制限はかからず、手動ですぐ再度クロークできます。
上記の特性から、Null等で行われる放置クロークハラスメント5)を規制するための設備としての側面が極めて強いです。