EVE onlineにおけるPvPはフリートを組んで戦う多人数戦が一般的ですが、ソロプレイも可能であり、多くのプレイヤーが様々な環境や条件下の中で戦っています。
特に、Low-SecのFWサイト(国家間戦争サイト)でのFG戦であれば、船自体も安価のため、Solo PvPを始める「初級者」の方にもお奨めです。
ただし、元々Solo PvPは自分以外に頼れるものがないシビアなバトルで、勝つためには、各船のスロット配列やボーナス、元々の速度をはじめ、各武装のトラッキング性能や射程距離、想定されるDPSや船のタンク量、スタンダートなFit構成等をあらかじめ熟知しておく必要があり、Fleet PvP以上に個人のスキルや知識、経験等が求められます。
まずはFleet PvPを通して戦いの流れを一通り理解したり、可能なら経験者の方に直接稽古を付けてもらってから挑戦する事をお奨めします。
勝つも負けるも、全ては自分の実力次第ですが、戦闘時の高揚感や、勝利の達成感はFleet PvPとはまた違った味わいがあります。
また、勝ったにせよ、負けたにせよ、戦闘が終わった際にはローカル上に「gf」、「gg」といったメッセージが流れる事があります。
これは、「good fight」や「good game」の略で、互いの健闘を称え合う挨拶であり、一種の礼儀作法です。
心に余裕があるなら、是非返しましょう。思わぬ友人と出会えるきっかけになるかもしれません。
PvPにおける戦い方は、大別すると「近距離型(至近距離・近距離kite)」と「遠距離型(kite)」の2つに分けられます。この2つの戦術には、各種武装の射程距離とWarp Jammerが深く関係しています。
Warp Scrambler(ワープスクランブラー)でpointできる半径9000m(オーバーロード時は11km)の範囲は「Scram range(スクラムレンジ)」と言われ、戦い方を決める上で重要な要素の1つとなっています。
Solo PvPに際してfitを組む時は、自分がスクラムレンジの中・外どちらで戦うのかという事を考えた上で、船や武装を選択していくと良いでしょう。
スクラムレンジ内で戦う戦術で、Mid Slotに
を搭載している事が基本形になります。
特に、ステイシスウェビファイヤーを2つ搭載したDual WEB仕様であれば、自分より足の速い船に対して、速度の面で逆転する事も出来ます。
また、同じ近距離型の船と戦う事が基本となるため、防御力に一定の比重が置かれる事も特徴的です。
敵に対して0~2000m程度の至近距離から高ダメージを叩き込む戦法で、Blaster(ブラスター)やAutocannon(オートキャノン)、Pulse Laser(パルスレーザー)といった至近距離で威力を発揮する武装を用います。
基本的には相手に対して「接近」するか、500~2000m台で「一定距離を保持」します。
相手の武装によっては500mで「オービット」し、トラッキング性能で勝負に出る事もあります。
攻撃志向の強い戦術とも言え、いかに相手に接近するかが重要になりますので、元々足の速い(あるいは足を速くした)船や、Dual WEB仕様が好まれます。
5000~9000m台のスクラムレンジ内で「一定距離を保持」、または「オービット」する戦い方で、至近距離での攻撃を得意とする船に対して強みがあります。
主にRailgun(レールガン)、Beam Laser(ビームレーザー)、Artillery(アーティレリ)、Rocket(ロケット)、Drone(ドローン)といった武装を用います。
特に、ロケット艦やドローン艦の場合、敵との距離によって火力が変化することがない分、様々な状況に対応できる柔軟性がありますが、その分、自分にとって有利な状況を見極める為に、船や武装に関する基礎知識や経験が必要となります。
一方で、タレット艦の場合は、至近距離型と同様、元々足の速い(あるいは足を早くした)船や、Dual WEB仕様が好まれます。
敵に対して「一定距離を保持」または「オービット」して、約18~24km台のスクラム圏外(≒攻撃範囲外)から敵を攻撃する戦い方で、Mid Slotに
を搭載している事が基本形になります。
主に、Drone(ドローン)、Light Missile(ライトミサイル)等が主流の武装となります。
※Imperial Navy Slicer(帝国海軍仕様スライサー)は、例外的にPulse Laser(パルスレーザー)を装備している事が多いです。
敵に対して凧のように一定の距離を保つ戦闘スタイルから、「Kite(カイト)艦」とも言われています。
通常の近距離艦相手であれば、スクラム圏内に捕らえるどころか攻撃自体が届かないこともあるため、うまく決まれば敵を完封する事も出来ます。
場合によっては、FAC艦や海賊艦、あるいは自分よりも大きなクラスの敵に勝つ事も出来ます。
ただし、高速で移動しつつ一定の距離を保持し続ける必要があるため、操艦の難易度が高く、乗りこなすには練習とノウハウが必要です。
一度失敗すればあっという間にあらぬ方向に船がすっ飛んでしまい、せっかくのキルを逃がすどころか自分が倒される可能性もあるので、初めてkite艦に乗るという方は、事前に何度も練習してから実戦に臨みましょう。
また、速度に比重を置く分、防御力が犠牲になりがちであるため、一度でも近距離艦にスクラムでポイントされると、MWDが起動出来なくなり一気に叩き落される可能性があります。
さらに、射程距離が長い武装を装備した船を相手にする場合はダメージを受ける事もあり、決して過信は出来ません。
中には、13~15km台を維持しつつ戦うMiddle Kite(ミドルカイト)という戦術もあり、ABを使用する事でスクラム圏内に入っても近距離艦に対して速度有利な状況を保てるようになっている場合もありますが、元々の船のスピードが相当優れている必要があるため、こうした戦い方が出来る船は限られています。
テクニカルな戦術ですが、本当に腕のあるKite艦の使い手ともなると、ほとんどの同クラス艦に勝ってしまうほどの圧倒的な戦闘力を持った恐ろしい存在となります。
『孫子・謀攻』より
「彼を知り己を知れば百戦殆からず。彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず殆し。」 (敵と味方の実情を熟知していれば、百回戦っても負ける事はない。敵情を知らないで味方の事だけを知っているのでは、勝ったり負けたりして勝負がつかず、敵のことも味方の事も知らなければ必ず負ける。)
PvPを行う、または避ける上で、ソーラーシステム内の状況を把握する事はとても重要です。
システム内の状況を把握する情報源は大別すると
の3つになります。
これらの情報を組み合わせることで、「敵の位置情報」、「その船に乗っているプレイヤーは誰なのか」、「単独行動なのか、フリート行動なのか」、「どんなFitの船なのか」といった事さえも、おおよそ分かるようになります。
Dスキャン(指向性スキャン)とは、オーバービューと組み合わせて、自分の周囲の状況を迅速に確認することが出来る機能です。
PvPを行う、または避ける場面においては、必ず必要になる機能の一つです。
スキャン角度は「5度~360度」まで変更出来、スキャン出来る範囲(距離)は「0.1(0.0)~14.3AU」までとなっています。
範囲 | 角度 | ||
---|---|---|---|
1. | 14.3AU(最大) | 360度(最大) | 主に「どんな艦船がシステム内にいるのか」といった、全体の状況を把握する際に使う設定です。 |
2. | X AU(自由) | 5度(最小) | 主に、戦闘サイトやST、ゲート、AB、惑星、恒星といった艦船がいそうな場所に向けてスキャンして、相手の現在位置を特定する際に使用する設定です。 |
3. | X AU(自由) | 360度(最大) | 主にアウトポスト内で敵を待ち伏せている際や、周囲を警戒している時に使う設定です。 また、戦闘中でもスキャン範囲を1AU程度に設定して定期的にスキャンしておくことで、敵の増援や第3勢力の介入を接敵前の段階で察知することもできます。 |
参考動画
ローカルを見ることで把握出来る情報は多岐に亘り、ローカルリストを見ただけで判る情報と、キャラクターを見ることによって判る情報の2つがあります。
これらの情報とDスキャンから得られた船の情報を総合して推察していく事で、システム全体の状況を知る事が出来ます。
ローカルチェックと同時に、EVEのサードパーティツールであるzkillboardを使用することで、システム内のプレイヤーの戦績を確認することが出来ます。
ちなみにzkillboardでは、システム名を検索する事で過去の戦闘を確認したり、船の名前を検索する事で船毎の戦績やシップロス等も調べる事も出来ます。
先ほどのDスキャンや、ローカルの情報と組み合わせる事で、「誰がどんな船に乗っていて、誰と組んでいるのか」といった様々な事を事前に把握する事が出来ます。
ここでは、索敵時に重要な項目に絞って紹介します。