範囲型ワープ妨害とは、ロックオンを必要とせず、一定の範囲内にいる艦船全てのワープを妨害するものです。
その展開時のエフェクトグラフィックから、もっぱら「バブル」と呼ばれます。
バブルにはいくつか種類がありますが、一貫してHigh/Lowsecでは使用が禁止されており、Nullsec/WHでのみ使用できます。
そのためHighなどで活動していれば見ることはありませんが、Null/WHに足を踏み入れるのであれば、これについては必ず知っておく必要があります。
上記の各種バブルに共通する特性を説明していきます。
なお、バブル無効状態の艦船には、以下で説明する効果が一切作用しません。
バブルの範囲内にいる艦船は、ワープドライブ及びジャンプドライブが起動できなくなります。
範囲型兵装の常として、この効果は敵味方を区別せず作用します。
ワープ妨害強度は100(≒∞)なので、バブル無効状態でない艦船は、例外なくワープ/ジャンプができなくなります。
なお、MWD/MJDの起動を阻害する、いわゆるスクラム効果はありません。
特にDictorとHICのバブルは即時展開でき、少数あるいは単独で多数の艦船を捕らえることが可能な、極めて便利な戦闘手段です。そのため、Null/WHにおける戦闘でこれが使われないことはかなり稀です。
バブルのもう一つの、そして最大の特徴が、この「吸い寄せる」効果です。
ワープの軌道上にバブルが存在する場合、ワープはそのバブルの表面で強制的に終了させられます。
そしてこの効果は、ワープ軌道の途中にある場合だけでなく、ワープ軌道の延長線上にバブルがある場合でも発生します。
ただしその効果はどこでも発揮されるわけではなく、もともとのワープ先と同じグリッド1)内の前後500kmにバブルがある場合に限られます。2)
この性質はつまり「到着地点が目標の地点からずれる」ということであり、スターゲートにダイレクトにワープできなかったり、ステーションにワープしたつもりがすぐに入港できないところで足止めされたりといった状況が、バブルによって引き起こされます。
バブルによって到着地点がずれることで実際のワープ軌道が150km以下となる場合は、バブルの外にいたとしてもワープが起動しません。
この吸い寄せる効果は、あくまでワープの軌道及びその延長線上にバブルがある場合のみ起こります。逆に、ワープの軌道が容易に予知できる場合には意図的にこの効果を活用できます。
例えばスターゲートとスターゲートを結ぶ線上にバブルが置いてあれば、ゲート間移動をする艦船を簡単に捕らえることができます。そういう置き方をしているバブルを一般的に「スリングバブル(SlingBubble)」と呼びます。
スリングバブルの周囲にコンテナなどを設置すれば、クローク艦が引っ掛かった時にそのクロークを剥がすこともできます。
スリングバブルを避ける航行方法として、三角飛びと呼ばれるものがあります。
やり方は単純に「目的の地点に直接ワープせず、一旦関係のない地点にワープしてから、目的の地点にワープする」というものです。
大抵の場合、スリングバブルはゲートとゲートを結ぶ線状を狙って置かれています3)。一旦別の場所へワープしてしまえばその線状からは外れるので、大抵のスリングバブルは避けることができます。
絶対安全とは言い切れませんが安全性が大幅に上がるので、範囲型ワープ妨害の影響を受けない船でない限り、Nullを航行するときにはこれを積極的に使っていくことをおすすめします。
Pin(ピン)とは、「ゲートやステーションなどのよく行く所から、200~300km程度離れた地点のブックマーク」のことです。
通る前に予めブックマークを取って置かなければなりませんが、上記の三角飛びに使えるほか、ゲート前などの安全確認にも使えます。
バブル無効とは、そのまま「バブルの影響を受けない」、つまりバブルの中に居ても問題なくワープでき、ワープ目的地周辺にバブルがあっても引き寄せられない、という特性のことです。日本語では「範囲型ワープ妨害の影響を受けない」、英語では“Interdiction Nullified”などと表現されます。
一部の船は固定の特性としてこれを持っている他、一部の船はモジュールによりこの特性を得られます。
なお、この特性はHiggs Anchor RigとBurst Jammerを装備すると失われます。
Interdiction Nullifier(インターディクション無効化)は、起動することでバブル無効特性を得られるハイスロットモジュールです。
1サイクル終了後にクールタイムが発生するため、連続しての使用はできません。1隻1基までの装備制限もあるので、複数装備してクールタイムの隙を補い合うということもできません。
サイクル時間は10秒程度と短いですが、バブルのワープ起動妨害効果もワープ終了時の引き寄せ効果も、ワープ起動完了時にバブル無効特性が有効であれば回避できるので、十分な効果時間と言えるでしょう。
また、ゲートジャンプ後の自動クローク中にも起動でき、しかも起動によってクロークが剥げることもないため、ある程度余裕を持って操作できます。
副作用として、ドローン帯域・スキャン解像度(=ロックオン速度)・最大ターゲット距離が半減します。
バブル無効が起動中のみ得られる特性であるのに対し、この副作用はモジュールをオンラインにしているだけで発生します。
通常、これを装備している艦船はまともに戦闘できなくなりますが、Fleet Interceptorだけはこのペナルティが大幅に軽減されます。
メタレベルが上がるほど効果時間も伸びますが、それに比例してクールタイムも伸びてしまいます。
メタレベルが高いものは、そのクールタイムの長さから「ゲートジャンプ後に起動してバブルを突破しワープ、次のゲートをジャンプしたもののまだクールタイムが終わっていない」という事象が発生する可能性が高いです。
そのため、特に効果時間を長くしたいという理由がなければ、T1のものを使っていればいいでしょう。
バブル無効特性をもつ船と、Interdiction Nullifier装備可能な艦種及びそれに対するボーナスは以下のとおりです。
ボーナス | ペナルティ軽減 | ||||
---|---|---|---|---|---|
艦種 | 効果時間 | クールタイム | ロック距離 | ロック速度 | 帯域幅 |
Shuttle4) | 「範囲型ワープ妨害の影響を受けない」ボーナスを持つ | ||||
Fleet Interceptor5) | +100% | -80% | -80% | -80% | - |
Combat Interceptor | ボーナスなし | ||||
Covert Ops6) | ボーナスなし | ||||
Strategic Cruiser7) | +100% | -80% | -80% | - | - |
T1 Industrial Ship | ボーナスなし | ||||
Blockade Runner | ボーナスなし | ||||
Deep Space Transport | ボーナスなし | ||||
Victorieux Luxury Yacht | +100% | -80% | -80% | - | - |