Battle of Asakai | |||
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年月日 | 2013年1月27日 | ||
場所 | Black Riseリージョン・Asakai | ||
結果 | CFCがTitan3隻撃沈を始めとした大損害を受ける | ||
主な交戦勢力 | |||
Goonswarm Federation Fidelas Constans RAZOR Alliance Gentlemen's Agreement Fatal Ascension | Pandemic Legion Northern Coalition. Black Legion. Test Alliance Please Ignore Nulli Secunda その他HBC及びN3所属勢力多数 |
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指揮官 | |||
Dabigredboat | Elise Randolph | ||
戦力 | |||
Titan:29隻 MS:71隻 DN:66隻 CV:88隻 サブキャピタル:約500隻 | MS:129隻 DN:99隻 CV:229隻 サブキャピタル:1200隻以上 |
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損害 | |||
Titan:3隻沈没 MS:6隻沈没 DN:47隻沈没 CV:23隻沈没 サブキャピタル:46隻沈没 損失額:約700B ISK | MS:1隻沈没 DN:4隻沈没 CV:10隻沈没 サブキャピタル:約200隻沈没 損失額:約80B ISK |
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キルレポート |
Battle of Asakai(アサカイの戦い)は、2013年1月27日に、Black Riseのローセクシステム"Asakai"において突発的に発生した大規模な戦闘である。
プレイヤーの操作ミス(クリックミス)という小さなことから大規模な戦闘に発展したことから、ニコニコ動画などゲーム外でも取り上げられ話題となった。ここからEVE Onlineを知りEVEを始めたプレイヤーを俗に「アサカイ世代」と呼ぶ。
Asakai(アサカイ)は、ローセクシステム(Low-Security-System:低セキュリティ星系)と呼ばれる、NPC勢力同士が敵対しているがためにCONCORDによる治安維持がほとんどなされていない、プレイヤー同士の交戦が解禁されているエリアの1つである。Asakaiにおいては、Caldari State(カルダリ連合)はGallente Federation(ガレンテ連邦)が領有権を巡って争っており、プレイヤーもこれらの勢力に義勇軍として参加することができる。
当時、Caldari義勇軍所属のアライアンス、Liandri Covenant(LC)が、Asakaiの第6惑星の第14衛星にPOS1)を設置しており、Gallente義勇軍所属のDrunk 'n' Disorderly(DnD)がこれを攻撃、リインフォース状態2)になっていた。
この数日前、Goonswarm Federationを中心とするEVE最大の勢力Clusterfuck Coalition(CFC)が、LCに干渉すべくThe ForgeのAkoraにキャピタル艦3)戦力を配備していた。
これを察知したDnDは、EVE屈指の精鋭集団であるPandemic Legion(PL)に、もしCFCがキャピタル艦あるいはスーパーキャピタル4)を投入してきた場合は協力して欲しいと要請、DnD側が十分な数のHIC5)を用意するという条件の元、PLは戦力を待機させることに同意した。
CFCの艦隊指揮官(FC)であるDabigredboat(DBRB)の作戦は、LCとDnDが戦闘を始めればそこにホットドロップ6)を仕掛け、双方を壊滅させるというシンプルなものだった。
さて実際にLCとDnDの戦闘が始まり、DBRBはジャンプポータルを展開するために、TitanパイロットであるサブキャラクターのOleena Natirasをログインさせた。
EVE Onlineには、大きく分けて2種類の艦船がある。勢力の主力となるキャピタル艦と、それよりも小さいサブキャピタル艦である。
サブキャピタル艦が星系間移動をする方法は、あらかじめ星系間に設置されているスターゲートを経由するという手段に限られる。しかし、キャピタル艦にはジャンプドライブという機構が備え付けられており、スターゲートを使うことなく、一定範囲内の任意の場所に迅速に移動が可能である。
このためサブキャピタル艦はキャピタル艦に比べて移動に関する制約が大きいわけだが、EVE Online最大の艦船であるTitanはジャンプドライブだけでなく「ジャンプポータル」という機能も持つ。これは、任意の場所への即席の一方通行スターゲートを生成するというもの。周囲にいるサブキャピタル艦を、キャピタル艦と同じように移動させることができる能力と言い換えてもいい。
キャピタル艦は火力こそ高いが、小型目標に攻撃を当てることは苦手であり、通常はサブキャピタル艦隊を随伴させてそれに対処する。DBRBは、味方のサブキャピタル艦隊をキャピタル艦隊と一緒に飛ばすためのTitanとしてLeviathanを用意したわけである。
ところが、Oleena NatirasのLeviathanは、ジャンプポータルではなく誤ってジャンプドライブを起動してしまった。艦隊を送り込んで蹂躙するつもりが、艦隊戦の真っ只中にEVE最大最高額の艦船が単独でいる、という状況がここに生起してしまったのであった。
DnDがこの事態を想定していたかはわからないが、ともかく誤ってジャンプしてきたLeviathanはDnDのHICによって捕獲された。DnDは直ちにPLのFCであるElise Randolphに通報、Eliseは40隻のMS7)を投入することを決定した。
PLのMSパイロットが大量にログインしたことを察知した8)DBRBは、PLがこのLeviathanを攻撃しに来ることを確信した。
この時点で、CFCの作戦の目的はLeviathanの救出ではなくPL艦隊の壊滅に切り替わった。
この動画は、LeviathanがDnDのHICに捕まった直後から始まっていると思われる。
なお、この動画を撮ったプレイヤーはLost Obsession(LO)に所属するBobamelius Twoで、乗っている船はVindicatorであった。状況及び編成から見て、LOはDnDと同様にHICを展開して敵キャピタルを捕まえる役割を担っていたと思われる。
Bobamelius Twoがジャンプポータルで戦場に到着した時点で、既に[CONDI](Goonswarm Federation)及び[FCON](Fidelas Constans)のタグの付いたArchon数隻がLeviathanの周囲にあり、艦載戦闘機を展開しつつ送電している12)のが確認できる。戦闘機でHICを排除し、ジャンプドライブの使用で消費したキャパシタを送電によって回復できれば、Leviathanは再度ジャンプドライブが使用可能になる。つまり、戦場から離脱可能になるというわけである。
動画の30秒あたりの赤い発光も、全てCFC所属CVのジャンプドライブによるものである。
3分25秒あたりから再度ジャンプドライブの音が再度激しくなる。ここでようやくPLの艦隊が到着しているが、それだけでなくCFCの艦隊主力も同時に到着している。キルレポートから明らかだが、PL等はこの戦闘にTitanを投入していない。このタイミングで大量に出現したAvatar等のTitanは全てCFC所属のものである。13)
これを見たEliseは、CFCがAsakaiに全戦力を投入していることを確信し、友好関係にあったN3 Coalition14)及びHoneybadger Coalition(HBC)15)に援軍を要請した。
両勢力ともそれに同意したが、戦場であるAsakaiはLow北部にあり、本拠地からの距離が遠いためすぐには16)援軍を到達させられなかった。逆にNull北部を勢力下に置くCFCにとってAsakaiは目と鼻の先であり、サブキャピタル艦を含めて戦力を迅速に戦場に投入することができた。そのため戦闘の初期はCFCに有利で推移し、Helを1隻撃沈されはしたものの17)、PLのNyx3隻を撤退させ18)、1隻を撃沈するに至っている。19)
N3のキャピタル戦力がログインしたことを察知したCFCは、再度全メンバーへログインと集結を指示。それはPLもまた同様であった。
“Nulli and now NCdot are streaming towards this fight. EVERYTHING, but particularly hictors, need to get here”
(NulliとNCdotがこの戦いに向かってきている。全戦力、特にHICがこの戦いに必要だ。)
-The Mittani20)から全CFCメンバーへ発信されたメッセージ
“So, shit was getting real, we pinged all PL to get out of their slumber.”
(マズイことになりつつあったから、全PLメンバーを叩き起こしたよ。)
- Elise Randolph
EVE Onlineの特徴的な機構としてTime Diration(TiDi)というものがある。
これは、1つの場所に何百人ものプレイヤーが集中しサーバーの負荷が大きくなった場合に、その場所でのみゲーム内のクロック数を落とし、ゲームの進行を遅延させサーバーの負荷を軽減するというものである。
動画内で3分50秒あたりからボイスチャットの音声が途絶えているのは、TiDiで遅くなったゲーム画面を早送りで映しているからである。この動画でNyxの撃沈のシーンから最後のシーンのPhoenix撃沈までは8分30秒間ほどだが、実際には1時間18分が経過している。
この時Asakaiでは攻撃間隔や移動にかかる時間など全てが通常の9倍以上まで引き伸ばされていたわけだが、Asakai以外の場所ではそうではない。Asakai内での戦闘のみが長引いているので、その気になれば誰でもAsakaiに向かい、参戦したり、観戦したりすることができた。そのため、双方の援軍だけでなく、戦闘の情報を聞きつけた第三者プレイヤーなどが続々とAsakaiに集結し、星系内のプレイヤー総数は最大で2700人超を記録した。その時の全オンラインプレイヤーの10分の1がAsakaiに集結していたことになる。
そうしてやってきた勢力の1つがBlack Legion.(BL.)であった。BL.はその時50隻のDN艦隊の移動の最中で、たまたまAsakaiに戦力投射できる位置にいた。BL.は決してPLと友好関係にある勢力ではなかったのだが、CFCとは敵対しており、これを攻撃するため参戦した。11分08秒あたりの大量のジャンプドライブの発光がそれである。
50隻ものDN戦力であれば、単独でキャピタル艦を撃沈することができる。指揮系統の統合も必要ない。逆にCFCは別々に攻撃される2目標の支援を同時に行わなければならなくなった。BL.の参戦は、PLにとって純粋なアドバンテージとなった。
動画では確認できないが、N3の艦隊も概ね同じタイミングで到着しているようであり、ここに戦況は逆転した。
不利を察したCFCは方針を変更し、まずはTitanを戦場から離脱させることを第一目標とした。12分40秒のコネクションロストで録画が一旦カットされているが、そこから復帰した時点で既にTitanが撤退を始めているのがわかる。
CFCの全戦力はHICの撃沈・無力化を最優先とし、またCVは全力で味方Titanの回復を行った。
しかし全てのTitanを離脱させることは叶わず、CFCは3隻のTitanを失った。
1隻目は、動画内の16分05秒でもキルレポートが確認されているBad PoisonのRagnarok。
2隻目は、この戦闘の発端になったOleena NatirasのLeviathan。動画の最初の場面では一度離脱していたが、再度戦線復帰していたようである。
3隻目はShakarのAvatar。これが撃沈された時点でPL/N3側も既に主要戦力を撤収させており、これをもって大規模な戦闘は終息した。戦闘開始から4時間20分が経過していた。
その他、CFCは6隻のMSと47隻のDN、23隻のCVを失い、総損失額は700B ISKに上る。当時のPLEX価格から日本円に直すと21)、およそ230万円の損失になる。
The Mittani.com - Asakai Aftermath: All Over a Cobalt Moon22)
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