他ゲームにおけるギルドやクランに当たるものとして、EVE Onlineでは「Corporation(コーポレーション)1)」というものがあります。
ここではコーポレーションと、その上位組織である「Alliance(アライアンス)」について説明していきます。
EVE Onlineには多くのコーポレーションが存在しますが、それらは大きく2つに分けることができます。
ゲーム開始時点では、そのキャラクターの国籍と出自に対応するNPCコーポレーションに所属しています。
その状態から、新たにプレイヤーコーポレーションを設立するか、既存のプレイヤーコーポレーションに加入することで、プレイヤーコーポレーション所属となります。
また、プレイヤーコーポレーションを退社した場合、自動的にキャラクターの血統に対応したNPCコーポレーション所属となります。
適切な権限を与えられていれば、コープ名義で建造物を宇宙空間に設置できます。
特にPOS/POCO/Citadel等はコープ名義での設置しか出来ないため、これを設置・運用するためにはプレイヤーコープ所属である必要があります。
なお、建造物が展開されている間はコープを解散させることができません。
コーポレーションの機構で最も重要なものの1つです。
独立コーポレーション及びアライアンスは、NPCに手数料を支払うことで、他の独立コーポレーションもしくはアライアンスとの間での相互の交戦を合法化、すなわち通常では非合法とされる先制攻撃に対しての、CONCORD及びセントリーガンからの介入を停止することができます。
この期間は標準で1週間継続し、これをコーポレーション間戦争と呼びます。
コーポレーション間戦争に相互の合意は必要なく、一方的な宣戦布告によって開始されます。
アライアンス所属のコーポレーションは単独で宣戦布告ができません。逆に、アライアンス所属コーポレーションを単体で宣戦布告の対象にすることはできません。
なお、NPCコーポレーションはコーポレーション間戦争の対象になりません。
戦争中の被害が多い(=弱い)と判断されればそれが更なる宣戦布告を招くため、多くのコープでは被害を少なくするためにいろいろな手段をとっています。
また、建造物を所有していない場合は宣戦布告の対象となりません。
コーポレーションの機能を利用するためには、そのキャラクターが適切な権限を付与されている必要があります。CEO以外の全てのメンバーは、デフォルトでは何の権限も持っていません。
権限には、「機能を利用する権限(役職)」と「機能利用権限を他メンバーに付与する権限(承認役職)」の2段階があります。
コーポレーションのCEOは、最初から全ての機能に対して「権限を付与する権限」を持っています。
また、ディレクターという特別な権限があり、これを付与されると「ディレクターを付与する権限」以外の全ての機能の「権限を付与する権限」を付与されます。このため、ディレクターは事実上のCEO代理として機能します。
CEO及びディレクターは、この他に「タイトル(後述)を付与・解除する権限」「オフィスの契約を解除する権限」「コープメンバーを除名する権限」「宣戦布告を実行する権限」などを持ちます。なお、何らかの権限を持っているメンバーを除名することはできず、除名には権限を全解除してから24時間以上経過している必要があります。4)
ディレクターにできずCEOのみ実行できる事柄には、ハンガー部門の改名、ウォレット部門の改名、アライアンスへの参加またはアライアンスの作成、ディレクター権限の割り当てなどがあります。
一般 | |
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Accountant 会計担当者 | アクセス可能なコープウォレットの閲覧・出入金ができる。 |
Auditor 監査役 | セキュリティログの閲覧、コープハンガーの監査コンテナの履歴の閲覧及び設定の操作ができる。 |
Communications Officer 通信士官 | コープチャットチャンネルの管理権限を得られる。 コープがアライアンスのExecコープなら、アライアンスチャンネルの管理権限も得られる。 |
Config Equipment 機材設置 | 一部のモバイルストラクチャをコープ名義で設置でき、コープ名義のモバイルストラクチャの管理・回収ができる。 また、税関の設置にもこの権限が必要となる。 |
Config Starbase Equipment POS施設設置担当 | POSのコントロールタワー及びその装備を設置・解除できる。 |
Contract Manager 契約管理者 | コープ名義の契約作成及びコープ名義での契約受諾ができる。 |
Diplomat 渉外担当者 | いわゆる「外交官」 コープスタンディングの設定が可能。 アライアンスのExecコープであればアライアンススタンディングの設定が可能。 |
Director ディレクター | 上述の通り。これ以外全ての権限及び承認権限を持つ。 なお、CEO以外がディレクター承認役職を持つことは出来ない。 |
Fitting Manager 装備管理者 | コープの装備情報の登録及び削除が可能になる。 |
Junior Accountant 会計担当補佐 | アクセス可能なコープウォレットの履歴を閲覧できる。会計担当者の下位版。 |
Personal Manager 人事担当者 | コープへの参加申し込みを受諾できる。またコープへの招待を送信できる。 |
Starbase Defense Operator POS防衛オペレーター | POSタレット及びPOSEWAR装備を操作できるようになる。5) |
Starbase Fuel Technician POS施設燃料技術担当 | POSの燃料ベイにアクセスできる。6) |
ステーションサービス | |
Factory Manager 工場管理者 | コープが保有するBPO/BPC・資材を用いて生産・研究ができる。 |
Rent Factory Facility レンタル工場施設 | コープが保有する生産施設を利用できる。 |
Rent Office オフィス借上 | コープのオフィスを設置できる。解除はできない。 |
Rent Research Facility レンタル研究施設 | コープが保有する研究施設を利用できる。 |
Security Officer 保安担当者 | コープメンバー全員の個人ハンガーを閲覧可能。 また、それらに対して一方的にアイテムを投入可能。 |
Station Manager ステーション管理者 | アップウェルストラクチャの設置及び設定変更ができる。 |
Trader トレーダー | アクセス可能なコープウォレットを使用した売買ができる。 |
ウォレット | |
マスターウォレット及び2~7番ウォレットへのアクセス権限を決められる。 これ単体の権限では何も出来ず、目的に合わせて上記の他権限を併せて付与する必要がある。 |
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ハンガー | |
コープハンガーには1~7番が存在する。また、 ・コープの本拠地にあるオフィスのコープハンガー(HQ) ・それ以外のオフィスにあるコープハンガー(Base) ・オフィス以外のコープハンガー7)(Other) は別のものとして扱われ、必要な権限が異なる。 また、これらに対しそれぞれ ・ハンガー内を閲覧する権限 ・ハンガー内アイテムを取り出す権限 ・ハンガー内のコンテナを取り出す権限8) の3種類のアクセス権限が存在する。 |
また、権限とは別にタイトルというものが存在します。これは外部からでも確認できる称号のようなものです。
権限はタイトル自体にも付与できます。タイトルを付与されたキャラクターは、そのタイトルが持つ権限も付与されます。これを利用し、関連する複数の権限をまとめて管理・付与するという手段が一般的に使われます。
タイトルは1コープ当たり16個まで設定できます。
EVE Onlineのコーポレーションにも株式というものは存在します。
しかし株式の流通システムは、アイテムのそれとは対照的に全くと言っていいほど整備されていません。株の持ち主が、数量を指定して他キャラクターに譲渡できるのみです。
従って、証券取引所どころか、株価というものすら存在しません。
EVE Onlineにおける株式の意味は、株主議決において株式の保有数分だけ投票権が得られる、という一点のみにあります。 株主議決では
などが実行できます。
特にメンバーの除名によってCEOを解任できるというのが重要で、CEO本人を介さずCEOを交代できる手段は、GMの介入を除けばこれしかありません。
アライアンスはコーポレーションの上位組織で、簡単に言うと「コーポレーションの連合体」です。
有名どころのアライアンス一覧はこちら。
アライアンスに所属していないコーポレーションは、NPCに1B ISKを支払うことでアライアンスを設立できます。その際、設立するコーポレーションのCEOがEnpire Control(帝国支配)スキルレベル5を習得している必要があります。
設立したコーポレーションはExecutive Corporation(Exec. Corp:執行コープ)として、アライアンス設定などの権限を一括して管理することになります。
アライアンスは戦争やスタンディング関連ではコープの上位存在として機能しますが、コーポレーションにあってアライアンスにはない機能が多く、コープの上位互換にはなりません。
コープがそれぞれのアイデンティティを残しつつ、強力な協力関係を得るための機構が、アライアンスです。
アライアンスとコーポレーションの最大の違いが、アライアンスはNull-Secで領土の獲得ができ、コーポレーションにはできないという点です。
領土を獲得することは、大きな収入と多くの戦闘機会が得られることに繋がります。また、SuperCarrier及びTitanは、領有下のNull-Secでのみ建造が可能です。
Null-Secの領土争いは、特殊な形式の戦闘によって行われます。そのため、領土の獲得にも維持にも戦力が必要になります。
コーポレーションのロゴが特定のパーツの組み合わせと色の調整で作成されるのに対し、アライアンスのロゴは任意の画像を独自ロゴとして設定することができます。
ただし、設定にはCCPの認可を受ける必要があり、その申請のためには、アライアンスが設立後6ヶ月以上経っている必要があります。
詳しくはDev Blogにて。
CCP公式のPvP大会、Alliance Tournamentというものが存在します。
出場するハードルは少々高いですが、勝ち残ることができれば賞品として限定版SKINや限定版艦船を得られます。
また、試合の様子は公式Twitchで配信されます。
コープチャンネルと同様、アライアンス所属中は同アライアンスに所属しているメンバーとの共用チャンネルに自動で参加することになります。
コープスタンディングと同様、アライアンスからもプレイヤー/コープ/アライアンスに対してスタンディングを設定できます。
当然こちらもコープスタンディングと同様に公的な意味を持ち、+10及び+5のスタンディング設定は公式な友好関係にある場合にのみ用いられます。
アライアンスもコープ間戦争の対象になります。
ただし、アライアンスに所属するコーポレーションは単独で宣戦布告をすることができず、Exec. Corpによるアライアンス全体としての宣戦布告のみが可能です。
逆に、アライアンス所属のコーポレーションは、単体で宣戦布告の対象になることはありません。
コーポレーションと同様に、様々な場面で「指定したアライアンスメンバー全てを対象とする」ことができます。