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backstory:the-capsule-and-the-clone [2017/09/17 17:30] – 作成 bartlett | backstory:the-capsule-and-the-clone [2020/11/10 13:51] (現在) – 外部編集 127.0.0.1 | ||
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- | 約120年前にJove人によってCaldariに与えられた当初、静水カプセルには、内部で死にゆく者をクローン体に再移植する設備は含まれていなかった。その上、カプセルはあらゆる点で人体には極めて不適応であるとされていた。一般的な人類と、その遺伝子強化された片割れであるJove人とのあらゆる生理学的な違いが、ポッドを原初の人類にとって極めて危険なものとしており、最も厳しい訓練法によってさえ、mind lockやwetgravingの恐怖から人々を救えないのが常であった。 | + | [[: |
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- | 長い間、どの国家も企業も、この一般認識を変えようと試みるほどには、ポッド技術に対して充分な利権を持っていなかった。Jove人はCaldariにポッド技術を解放した時からその技術についての特許を保持していたが、ポッドの生産に対する金銭的な報酬を頑なに拒んでいた。彼らは、このあからさまな高潔さの表明について何も説明しなかったし、彼らのような遺伝的な優位性に恵まれていない者たちのために、その技術の実用性を向上させようとすることもなかった。その真意については様々な憶測が乱れ飛んでいるが、いまだ意見の一致をみていない。 | + | 長い間、どの国家も企業も、この一般認識を変えようと試みるほどには、ポッド技術に対して充分な利権を持っていなかった。ジョヴ人はカルダリにポッド技術を解放した時からその技術についての特許を保持していたが、ポッドの生産に対する金銭的な報酬を頑なに拒んでいた。彼らは、このあからさまな高潔さの表明について何も説明しなかったし、彼らのような遺伝的な優位性に恵まれていない者たちのために、その技術の実用性を向上させようとすることもなかった。その真意については様々な憶測が乱れ飛んでいるが、いまだ意見の一致をみていない。 |
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- | カプセルとクローンが巡り逢う以前の時代において、ポッドは、長期の使用によって起きる強烈な吐き気や幻覚、全般性の精神不安に対処しうる選ばれた少数の間に用途を見いだされていた。Gallente-Caldari戦争の末期において、Caldari側について戦ったポッドパイロットの英雄が、満載した船員と、操船に音声による命令や反射神経が必要な煩わしさに悩まされる船には考えられない機動を行っていたという話が残されている。しかしながら、このようなパイロットは希少であった。ポッド技術が抱える問題のために、カプセルを搭載した船は未だ大量生産が行われず、従って現行艦への搭載には多大な労力と費用を要した。 | + | カプセルとクローンが巡り逢う以前の時代において、ポッドは、長期の使用によって起きる強烈な吐き気や幻覚、全般性の精神不安に対処しうる選ばれた少数の間に用途を見いだされていた。[[: |
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- | ===== 運命の出会い ===== | + | ===== 3.運命の出会い ===== |
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- | クローン製造業者が、静水カプセルを自社技術の基盤とすることによる大きな可能性に気づいたのは8年前のことであった。宇宙でも有数の巨大企業複合体の出資により、適切な機関からオリジナルの青写真を修正する許可を買い取り、カプセルの研究と開発に乗り出したのである。 | + | クローン製造業者が、静水カプセルを自社技術の基盤とすることによる大きな可能性に気づいたのは8年前(編注:YC98年)のことであった。宇宙でも有数の巨大企業複合体の出資により、適切な機関からオリジナルの青写真を修正する許可を買い取り、カプセルの研究と開発に乗り出したのである。 |
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- | この出来事と同時に、CONCORDは、カプセル装備艦の操縦許可を持つパイロットごとにクローンの契約を命ずるとともに、製造されたあらゆるカプセルに経神経反響焼成スキャナー | + | この出来事と同時に、CONCORDは、カプセル装備艦の操縦許可を持つパイロットごとにクローンの契約を命ずるとともに、製造されたあらゆるカプセルに経神経反響焼成スキャナーを設置することを要求する法的措置を策定、可決した。この法律に対する公的な根拠として、カプセル装備による生存能力の向上により、未踏の深宇宙だけでなく、技術の最先端のさらなる探求が可能になるからであるという点が挙げられた。もちろん、クローニング企業が巨大企業の後ろ盾をもって法改正を行ったということが広く囁かれたが、これらの意見が完全に証明されることはなかった。 |
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