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backstory:sansha_s-nation [2021/12/18 20:10] – 外部編集 127.0.0.1 | backstory:sansha_s-nation [2023/01/03 20:50] (現在) – Osat Bartlett | ||
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サンシャ国はステイン・リージョンを領する無法国家である。 | サンシャ国はステイン・リージョンを領する無法国家である。 | ||
100年以上前、サンシャ・クヴァケイが洗脳奴隷からの搾取と少数のサイバネ化エリートによるユートピア社会を創りだそうと目論み、この国を建国した。 | 100年以上前、サンシャ・クヴァケイが洗脳奴隷からの搾取と少数のサイバネ化エリートによるユートピア社会を創りだそうと目論み、この国を建国した。 | ||
- | YC37年、少数の残党を残して、サンシャ国(もはや国と呼ぶのは当人達だけだったが)はCONCORD率いる5大国の攻撃で滅び去った。 | + | YC37年、サンシャ国(もはや国家と呼べるか怪しかったが)はCONCORD率いる五大国の攻撃を受け、少数の残党を残して滅び去った。 |
- | しかし、YC105年に出現した残党は徐々に国力を回復し、YC112年には大国領への侵略を開始するまでになった。 | + | しかし、YC105年に出現した残党は徐々に国力を回復し、YC112年には五大国領への侵略を開始するまでになった。 |
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行 29: | 行 29: | ||
サンシャ国の形成はYC5年、CONCORDが設立されて間もない頃、カルダリ産業界の大物サンシャ・クヴァケイによって開始された。 | サンシャ国の形成はYC5年、CONCORDが設立されて間もない頃、カルダリ産業界の大物サンシャ・クヴァケイによって開始された。 | ||
彼の一族はガレンテ・カルダリ戦争を通じて兵器製造業で財を成し、クヴァケイは多くの資産を受け継いだ。 | 彼の一族はガレンテ・カルダリ戦争を通じて兵器製造業で財を成し、クヴァケイは多くの資産を受け継いだ。 | ||
- | クヴァケイは各国による辺境宙域の植民地化を好機だと考え、ニューエデン中の小地域を購入し、その中には後にステインとして知られることになるリージョンの中心地も含まれていた。 | + | クヴァケイは各国による辺境宙域の植民地化を好機だと考え、ニューエデン中の小宙域を購入し、その中には後にステインとして知られることになるリージョンの中心地も含まれていた。 |
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- | これらの小地域において、クヴァケイは大国から独立した軍備計画を進め、彼自身の小さな軍隊を作り上げた。 | + | これらの小宙域において、クヴァケイは大国から独立した軍備計画を進め、彼自身の小さな軍隊を作り上げた。 |
加えて、知的エリートによって統制された国家というユートピア思想による教化も行われた。 | 加えて、知的エリートによって統制された国家というユートピア思想による教化も行われた。 | ||
彼の国で行われた採掘と商取引も大きな名声を獲得し、クヴァケイは瞬く間に支持者を獲得していった。 | 彼の国で行われた採掘と商取引も大きな名声を獲得し、クヴァケイは瞬く間に支持者を獲得していった。 | ||
行 54: | 行 54: | ||
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サンシャ国に対する賞賛はクヴァケイの壮大かつ誇大妄想じみた理想を煽りたて、クヴァケイは更に奇妙なアイデアを模索し始めた。 | サンシャ国に対する賞賛はクヴァケイの壮大かつ誇大妄想じみた理想を煽りたて、クヴァケイは更に奇妙なアイデアを模索し始めた。 | ||
- | 世界は、彼と、彼によって選ばれ、あらゆる労役から解放された知的エリートによって支配されれば、より良い場所になると信じこんだのである。 | + | 世界は彼と彼によって選ばれ労役から解放された知的エリートに支配されれば、より良い場所になると信じこんだのである。 |
- | 彼は完全に忠実な兵士と労働者の創造に取り掛かったが、ドローンには創造性と適応性が足りないことに気がついた。 | + | クヴァケイは完全に忠実な兵士と労働者の創造に取り掛かったが、ドローンには創造性と適応性が足りないことに気がついた。 |
- | これに対するクヴァケイの解決法は、ジョヴのカプセラ技術と既存の脳髄インプラントを組み合わせ、進んで命令に従う奴隷を作り出すというものだった。 | + | これに対する解決法は、ジョヴのカプセラ技術と既存の脳髄インプラントを組み合わせ、進んで命令に従う奴隷を作り出すというものだった。 |
彼はこの技術を完成させるための実験を必要としていた。 | 彼はこの技術を完成させるための実験を必要としていた。 | ||
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行 68: | 行 68: | ||
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当初、クヴァケイはアマー帝国から提供されたミンマター奴隷を実験台に用いた。 | 当初、クヴァケイはアマー帝国から提供されたミンマター奴隷を実験台に用いた。 | ||
- | 帝国の目的は新しい奴隷の管理方法を開発することだったが、実際にクヴァケイが作り出したのは、彼のあらゆる命令に従う、ゾンビじみた完全に忠実な軍隊だった。 | + | 帝国の目的は新しい奴隷の管理方法を開発することだった。だが、実際にクヴァケイが作り出したのは、彼のあらゆる命令に従うゾンビじみた完全に忠実な軍隊だった。 |
- | 彼はこの「トゥルー・スレイヴ」を労働者として用いるだけでなく、国軍を組織するための兵士としても用いた。 | + | 彼はこの「トゥルースレイヴ」を労働者として用いるだけでなく、国軍を組織するための兵士としても用いた。 |
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行 79: | 行 79: | ||
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- | トゥルー・スレイヴの軍隊を支える科学者、哲学者、その他の知識人は、サンシャ国の「トゥルー・シチズン」となった。 | + | トゥルースレイヴの軍隊を支える科学者、哲学者、その他の知識人は、サンシャ国の「トゥルーシチズン」となった。 |
サンシャ・クヴァケイの凶行がひた隠しにされる一方で、彼らは自国を称える言葉を広め、サンシャ国に更に多くの支持者をもたらした。 | サンシャ・クヴァケイの凶行がひた隠しにされる一方で、彼らは自国を称える言葉を広め、サンシャ国に更に多くの支持者をもたらした。 | ||
結果、サンシャ国の影響力は複数のリージョンに及ぶようになり、大国にも匹敵する国力を誇るようになった。 | 結果、サンシャ国の影響力は複数のリージョンに及ぶようになり、大国にも匹敵する国力を誇るようになった。 | ||
行 95: | 行 95: | ||
YC37年、サンシャ国の実態が世界中に明らかになった。 | YC37年、サンシャ国の実態が世界中に明らかになった。 | ||
CONCORDはクヴァケイを告訴し、サンシャ国に降伏を迫ったが、彼は全ての要求を拒否した。 | CONCORDはクヴァケイを告訴し、サンシャ国に降伏を迫ったが、彼は全ての要求を拒否した。 | ||
- | クヴァケイはいつかは秘密が明らかになると考え、既に報復に対抗するための準備を整えていたのである。 | + | クヴァケイはいつかは秘密が明らかになると考え、制裁に対抗するための準備を整えていたのである。 |
- | だが、彼は報復の激しさまでは予想していなかった。 | + | だが、彼は制裁がこれほど激しくなるとは予想していなかった。 |
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行 108: | 行 108: | ||
ジョヴ帝国はこの件に関わろうとしない。 | ジョヴ帝国はこの件に関わろうとしない。 | ||
アマー帝国はサンシャ国の側に付くか、悪くても中立を貫くだろう。 | アマー帝国はサンシャ国の側に付くか、悪くても中立を貫くだろう。 | ||
- | クヴァケイはそう考えていたが、現実には5大国はサンシャ国と戦うための連合軍を結成した。 | + | クヴァケイはそう考えていたが、現実には五大国はサンシャ国と戦うための連合軍を結成した。 |
連合軍はサンシャ国の領内を掃討し、国軍を壊滅させ、インフラも破壊した。 | 連合軍はサンシャ国の領内を掃討し、国軍を壊滅させ、インフラも破壊した。 | ||
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行 132: | 行 132: | ||
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- | 数十年かけて、サンシャ国の残党はゆっくりと集結していった。 | + | サンシャ国の残党は数十年かけてゆっくりと集結していった。 |
- | 僅かに生き残っていた国軍の司令官は、当て所無く彷徨っていたトゥルー・スレイヴをサンシャ国の古い約束の地へと連れて行った。 | + | 僅かに生き残っていた国軍の司令官は、当て所無く彷徨っていたトゥルースレイヴをサンシャ国の古い約束の地へと連れて行った。 |
そこに慎重に隠されたステーションは猛攻撃を免れており、サンシャ国の新拠点として役立った。 | そこに慎重に隠されたステーションは猛攻撃を免れており、サンシャ国の新拠点として役立った。 | ||
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行 144: | 行 144: | ||
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- | 司令官達は廃墟からのサンシャ国再建に着手した。 | + | 司令官たちは廃墟からのサンシャ国再建に着手した。 |
新たな船、新たなステーションを建造し、密かに新たな国民を募った。 | 新たな船、新たなステーションを建造し、密かに新たな国民を募った。 | ||
- | 幽霊会社や傭兵を通じて、トゥルー・スレイヴとなる人間を調達していった。 | + | 幽霊会社や傭兵を通じてトゥルースレイヴとなる人間を調達していった。 |
各国の注目を集めないよう、事は慎重に進められた。 | 各国の注目を集めないよう、事は慎重に進められた。 | ||
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行 159: | 行 159: | ||
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- | YC105年、サンシャ国は再びニューエデン社会の前に姿を現した。 | + | YC105年、サンシャ国はふたたびニューエデン社会の前に姿を現した。 |
カプセラの探索が彼らの活動を妨害し、潜伏し続けることが困難になったのだ。 | カプセラの探索が彼らの活動を妨害し、潜伏し続けることが困難になったのだ。 | ||
- | だが、この時点でサンシャ国は国家を維持できるだけの力を取り戻しており、5大国の協力関係は綻びつつあった。 | + | だが、この時点でサンシャ国は国家を維持できるだけの力を取り戻しており、五大国の協力関係は綻びつつあった。 |
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行 172: | 行 172: | ||
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サンシャ国はニューエデン全域に部隊を派遣し始めたが、中でも国境を接するアマー帝国への侵攻に集中した。 | サンシャ国はニューエデン全域に部隊を派遣し始めたが、中でも国境を接するアマー帝国への侵攻に集中した。 | ||
- | YC108年初頭、彼らはエンジェルカルテルに対しても襲撃を始め、海賊組織の領土を巡る戦いに突入した。 | + | YC108年初頭、彼らはエンジェルカルテルに対しても襲撃を始め、海賊勢力の領土をめぐる戦いに突入した。 |
- | その活動の規模は拡大し、ステイン以外のリージョンにも探査船が送り込まれ、間もなく「サンシャ国の話者」として知られる人物から最後通牒が発された。 | + | その活動の規模は拡大し、ステイン以外のリージョンにも探査船が送り込まれ、間もなく「サンシャ国の話手」として知られる人物から最後通牒が発された。 |
- | しかし、以降のサンシャ国の行動は再び沈静化し、大国間紛争による死者を回収する等、独特な手法への回帰が見られた。 | + | しかし、以降のサンシャ国の行動はふたたび沈静化し、大国間紛争による死者を回収するなど独特な手法への回帰が見られた。 |
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行 186: | 行 186: | ||
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- | これらの行動は焦点の定まっていないもので、多くの人間はトゥルー・スレイヴが数十年前の命令に従って動いているだけだと考えた。 | + | これらの行動は焦点の定まっていないもので、多くの人間はトゥルースレイヴが数十年前の命令に従って動いているだけだと考えた。 |
それは間違いだった。 | それは間違いだった。 | ||
YC112年5月、サンシャ国は完全な復活を遂げた。 | YC112年5月、サンシャ国は完全な復活を遂げた。 | ||
- | ニューエデン全域の幾つかの星系がサンシャ国軍の奇襲を受けたのだ。 | + | ニューエデン全域のいくつかの星系がサンシャ国軍の奇襲を受けたのだ。 |
サンシャ国はワームホールを制御して侵攻に用いたものと思われ、第一波はナイアルジャ、タマ、バール、カメラ星系を襲った。 | サンシャ国はワームホールを制御して侵攻に用いたものと思われ、第一波はナイアルジャ、タマ、バール、カメラ星系を襲った。 | ||
この攻撃はカプセラによって撃退されたものの、当該星系の住民約20万人が拉致された。 | この攻撃はカプセラによって撃退されたものの、当該星系の住民約20万人が拉致された。 | ||
行 205: | 行 205: | ||
サンシャ・クヴァケイ本人なのか怪しむ声もあったが、一般にはクヴァケイがサンシャ国を率いるために何らかの方法で生き返ったのだと信じられた。 | サンシャ・クヴァケイ本人なのか怪しむ声もあったが、一般にはクヴァケイがサンシャ国を率いるために何らかの方法で生き返ったのだと信じられた。 | ||
カプセラのプローブがジョヴ領におけるサンシャ国軍の活動を確認すると、ニューエデン社会の緊張は一挙に高まった。 | カプセラのプローブがジョヴ領におけるサンシャ国軍の活動を確認すると、ニューエデン社会の緊張は一挙に高まった。 | ||
- | また、不気味なことには、サンシャ国の侵攻を受けた惑星では殆ど抵抗や戦闘が確認できず、まるで人々が喜んで付いて行ったかのような跡が残されていた。 | + | また、不気味なことにサンシャ国の侵攻を受けた惑星では殆ど抵抗や戦闘が確認できず、まるで人々が喜んで付いて行ったかのような跡が残されていた。 |
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行 216: | 行 216: | ||
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サンシャ国軍の侵攻は数ヶ月にわたって続いた。 | サンシャ国軍の侵攻は数ヶ月にわたって続いた。 | ||
- | カプセラによる反撃にもかかわらず、多くの星系、特に低セキュリティ宙域では、攻撃による荒廃と過疎化が進んだ。 | + | カプセラによる反撃にもかかわらず、多くの星系、特に低セキュリティ宙域では攻撃による荒廃と過疎化が進んだ。 |
サンシャ・クヴァケイが本人であることも確認されたが、どうやって生き延びたのかという謎は残った。 | サンシャ・クヴァケイが本人であることも確認されたが、どうやって生き延びたのかという謎は残った。 | ||
12月、サンシャ国軍は行動方針を転換した。 | 12月、サンシャ国軍は行動方針を転換した。 | ||
- | 彼らは惑星上の住民を襲撃するより、星群単位でカプセラの活動を妨害することに重点を置き始めた。 | + | 彼らは惑星上の住民を襲撃するより、星座単位でカプセラの活動を妨害することに重点を置き始めた。 |
- | カプセラによる反撃が功を奏した結果のように思われたが、十分な数のトゥルー・スレイヴを補充できたので、単に惑星を襲撃する必要が無くなったのだと考える者もいた。 | + | カプセラによる反撃が功を奏した結果のように思われたが、単に十分な数のトゥルースレイヴを補充できたので惑星を襲撃する必要が無くなったのだと考える者もいた。 |
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行 234: | 行 234: | ||
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サンシャ国は独裁体制をとる全体主義国家であり、ただサンシャ・クヴァケイによってのみ統治されている。 | サンシャ国は独裁体制をとる全体主義国家であり、ただサンシャ・クヴァケイによってのみ統治されている。 | ||
- | 彼はトゥルー・スレイヴの指揮権を完全に掌握しており、気まぐれにサンシャ国軍を動かしている。 | + | 彼はトゥルースレイヴの指揮権を完全に掌握しており、気まぐれにサンシャ国軍を動かしている。 |
- | トゥルー・スレイヴはインプラントを介して液体ルータに接続されており、何時でも、何処からでも、クヴァケイはあらゆるトゥルー・スレイヴに命令を下すことが出来る。 | + | トゥルースレイヴはインプラントを介して液体ルータに接続されており、クヴァケイは何時でも、何処からでも、あらゆるトゥルースレイヴに命令を下すことができる。 |
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行 246: | 行 246: | ||
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とはいえ、クヴァケイがどれほど強く望もうとも、全ての個体の行動を細部まで制御できるわけではない。 | とはいえ、クヴァケイがどれほど強く望もうとも、全ての個体の行動を細部まで制御できるわけではない。 | ||
- | そこで、彼は高い信頼を置いているトゥルー・シチズンに局地的な指揮権を委ねている。 | + | そこで、彼は高い信頼を置いているトゥルーシチズンに局地的な指揮権を委ねている。 |
例えばヴィザン・アンコニン、ヘルム・ソラン、市民アスター、市民アースンといった面々である。 | 例えばヴィザン・アンコニン、ヘルム・ソラン、市民アスター、市民アースンといった面々である。 | ||
これらの司令官にはサンシャ国の理想像を追求するための広範な裁量権が与えられているが、彼らにもインプラントが取り付けられているので、 | これらの司令官にはサンシャ国の理想像を追求するための広範な裁量権が与えられているが、彼らにもインプラントが取り付けられているので、 | ||
行 274: | 行 274: | ||
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- | アマー帝国およびカルダリ連合に対する憎悪や、類似した理念から、ブラッドレイダー盟約とガリスタス海賊団には不安定な休戦状態を維持している。 | + | ブラッドレイダー盟約、ガリスタス海賊団とは特に理念は共通していないが、アマー帝国およびカルダリ連合に対する敵意という共通点から不安定な休戦状態を維持している。 |
- | この3つの組織は互いに攻撃することを控え、相手の行動から利益を引き出すような真似もしていない。 | + | この三つの組織は互いに攻撃することを控え、相手の行動から利益を引き出すような真似もしていない。 |
一緒になって動くことも滅多にないが、サンシャ国はこの友好組織からもメンバーを引き抜いているようである。 | 一緒になって動くことも滅多にないが、サンシャ国はこの友好組織からもメンバーを引き抜いているようである。 | ||
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行 286: | 行 286: | ||
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- | サンシャ国はトゥルー・スレイヴが操る艦船によって守られている。 | + | サンシャ国はトゥルースレイヴが操る艦船によって守られている。 |
サンシャ艦は瞬時に識別できる独特なデザインをしており、背骨のようなアンテナ、暗いドーム型の窓を備えている。 | サンシャ艦は瞬時に識別できる独特なデザインをしており、背骨のようなアンテナ、暗いドーム型の窓を備えている。 | ||
これらは強力なシールド、装甲、レーザーで武装した最先端設計の艦船であり、大国の技術力を上回っていることも多い。 | これらは強力なシールド、装甲、レーザーで武装した最先端設計の艦船であり、大国の技術力を上回っていることも多い。 | ||
行 298: | 行 298: | ||
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- | サンシャ国は自在に人工ワームホールを作り出す方法を発見しているため、素早くニューエデン全域に展開し、星群全体を封鎖することができる。 | + | サンシャ国は自在に人工ワームホールを作り出す方法を発見しているため、素早くニューエデン全域に展開し、星座全体を封鎖することができる。 |
大国はこの技術を再現できておらず、サンシャ国に戦略的な優位性を与えている。 | 大国はこの技術を再現できておらず、サンシャ国に戦略的な優位性を与えている。 | ||
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行 310: | 行 310: | ||
<WRAP half column> | <WRAP half column> | ||
サンシャ国は大国領それ自体を侵攻目標としてきたが、近年はカプセラを標的とした侵攻を繰り返している。 | サンシャ国は大国領それ自体を侵攻目標としてきたが、近年はカプセラを標的とした侵攻を繰り返している。 | ||
- | 中にはサンシャ国への忠誠を誓うカプセラもおり、クヴァケイは彼らを歓迎し、受け入れている。 | + | 中にはサンシャ国への忠誠を誓うカプセラもおり、クヴァケイは彼らを歓迎して受け入れている。 |
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行 324: | 行 324: | ||
<WRAP half column> | <WRAP half column> | ||
サンシャ国は伝統的な経済学者に理解されそうな経済は有していない。 | サンシャ国は伝統的な経済学者に理解されそうな経済は有していない。 | ||
- | 国民の大半がいかなる形でも金を必要としないトゥルー・スレイヴであるため、貨幣は存在しないのである。 | + | 国民の大半がいかなる形でも金を必要としないトゥルースレイヴであるため、貨幣は存在しないのである。 |
- | トゥルー・シチズンは何でも望むものを与えられ、それはトゥルー・スレイヴによって生産されるか、サンシャ国の敵を襲撃した際に接収される。 | + | トゥルーシチズンは何でも望むものを与えられ、それはトゥルースレイヴによって生産されるか、サンシャ国の敵を襲撃した際に略奪される。 |
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行 335: | 行 335: | ||
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- | サンシャ国は必要な資材の大部分をトゥルー・スレイヴの労働を通じて作り出す。 | + | サンシャ国は必要な資材の大部分をトゥルースレイヴの労働を通じて作り出す。 |
その他、食糧生産に特化した植民地や、原材料を産出する専業ステーションと鉱業植民地も有している。 | その他、食糧生産に特化した植民地や、原材料を産出する専業ステーションと鉱業植民地も有している。 | ||
- | 国内にはトゥルー・シチズン向け高級品を生産するための工場さえある。 | + | 国内にはトゥルーシチズン向けの嗜好品を生産する工場さえある。 |
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行 360: | 行 360: | ||
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- | サンシャ国の人口の大部分はトゥルー・スレイヴで構成されている。 | + | サンシャ国の人口の大部分はトゥルースレイヴで構成されている。 |
- | 少なくとも99%、おそらく更に高い比率をトゥルー・スレイヴが占める。 | + | 少なくとも99%、おそらく更に高い比率をトゥルースレイヴが占める。 |
- | スレイヴ・インプラントによる制御から解放されているのは、科学者、研究者、哲学者、医者、芸術家、その他の知識人といった僅かなトゥルー・シチズンのみだ。 | + | スレイヴ・インプラントによる制御から解放されているのは、科学者、研究者、哲学者、医者、芸術家、その他の知識人といった僅かなトゥルーシチズンのみだ。 |
- | 最近では軍関係者のトゥルー・シチズンも多く見受けられ、おそらくサンシャ国軍を強化する目的があるのではないかと言われている。 | + | 最近では軍関係者のトゥルーシチズンも多く見受けられ、おそらくサンシャ国軍を強化する目的があるのではないかと言われている。 |
国民の民族的出自は比較的多様であり、ニューエデン全体の人口統計に近い。 | 国民の民族的出自は比較的多様であり、ニューエデン全体の人口統計に近い。 | ||
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行 375: | 行 375: | ||
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- | 国民の大半はトゥルー・スレイヴとして知られている。 | + | 国民の大半はトゥルースレイヴとして知られている。 |
彼らはサンシャ国の各種機能を担っており、下級労働者から海軍を構成する兵員まで様々である。 | 彼らはサンシャ国の各種機能を担っており、下級労働者から海軍を構成する兵員まで様々である。 | ||
- | ほとんどのトゥルー・スレイヴは拉致されスレイヴ・インプラントを装着された人々だが、このインプラントは高度なサイバネティック制御システムの賜物であり、サンシャ・クヴァケイと彼の忠実な司令官の命令を滞りなく遂行させることができる。 | + | ほとんどのトゥルースレイヴは拉致されてスレイヴ・インプラントを装着された人々だが、このインプラントは高度なサイバネティック制御システムの賜物であり、サンシャ・クヴァケイと彼の忠実な司令官の命令を滞りなく遂行させることができる。 |
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行 387: | 行 387: | ||
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- | しばしばトゥルー・スレイヴは自分自身の意思を持たない「考え無し」だと評される。 | + | トゥルースレイヴは自分自身の意思を持たないロボットのような存在だと評されることが多い。 |
- | だが、実際には各個体のサンシャ国および任務に対する愛情に応じて、人格と自由がある程度許容されるようになっている。 | + | だが、実際には各個体のサンシャ国および任務に対する愛情に応じて、人格と自由がある程度許容されている。 |
- | 特に自らサンシャ国を訪れて降伏を申し出た場合、インプラント装着後も以前と同じように振る舞い、人格を高度に維持することが出来る。 | + | 特に植民地を訪ねて降伏を呼びかける工作員は、インプラント装着後も以前と同じように振る舞い人格を高度に維持している。 |
- | 同様に、サンシャ国軍の司令官達は創造性と意思決定能力を維持することが許されているため、急速に変化する戦況へ容易に対応できるようになっている。 | + | サンシャ国軍の司令官たちも同様に、急速に変化する戦況へ対応できるよう創造性と意思決定能力を維持することが許されている。 |
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行 400: | 行 400: | ||
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- | トゥルー・スレイヴの大半は集団意識的に編成されており、絶えずサンシャ国の中央司令部と通信が行われている。 | + | トゥルースレイヴの大半は集団意識的に編成されており、絶えずサンシャ国の中央司令部と通信が行われている。 |
- | この方式はダイレクト・フィードと呼ばれていて、トゥルー・スレイヴの経験は全て送信され、後方で解析される。 | + | この方式はダイレクトフィードと呼ばれていて、トゥルースレイヴの経験は全て送信されて後方で解析される。 |
- | 言うまでもないことだが、トゥルー・スレイヴに命令を送信することも出来る。 | + | 言うまでもないことだが、トゥルースレイヴに命令を送信することも出来る。 |
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行 413: | 行 413: | ||
<WRAP half column> | <WRAP half column> | ||
一旦装着されてしまったスレイヴ・インプラントを取り除くのは恐ろしく困難である。 | 一旦装着されてしまったスレイヴ・インプラントを取り除くのは恐ろしく困難である。 | ||
- | 個体によってまちまちだが、一定時間が経過すると、心理的回復の望めない不可逆的な方法で人格が破壊されてしまう。 | + | 個体によってまちまちだが、一定時間が経過すると心理的回復の望めない不可逆的な方法で人格が破壊されてしまう。 |
- | サンシャ・クヴァケイに仕えるという意味でも、自殺という意味でも、トゥルー・スレイヴの唯一の望みは死であって、それが彼らを解放する唯一の手段なのだ。 | + | 束縛から解放されたトゥルースレイヴは、サンシャ国に殉ずるのか自殺なのかの違いはあれど、結局のところは死を望むだろう。 |
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行 425: | 行 425: | ||
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- | トゥルー・シチズンは自ら進んでサンシャ国に参加し、個性と人格を保持することを許されている人間である。 | + | トゥルーシチズンは自ら進んでサンシャ国に参加し、個性と人格を保持することを許されている人間である。 |
- | ただし、彼らの多くは改良型スレイヴ・インプラントを装着しており、トゥルー・スレイヴが囚われているものと同じ集団意識に接続されている。 | + | ただし、彼らの多くは改良型スレイヴ・インプラントを装着しており、トゥルースレイヴが囚われているものと同じ集団意識に接続されている。 |
- | このインプラントの主な目的は、装着者の能力を高め、市民の間で一層の協力と理解を促進するという点にある。 | + | このインプラントの主な目的は知的能力の強化、そしてシチズン間の協力と理解を一層促進する点にある。 |
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行 437: | 行 437: | ||
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- | 一般的に、トゥルー・シチズンは科学者、研究者、哲学者、そしてサンシャ国のユートピア思想に共感している知識人である。 | + | 一般的に、トゥルーシチズンは科学者、研究者、哲学者、そしてサンシャ国のユートピア思想に共感している知識人である。 |
彼らはサンシャ国の技術力を向上させ、最終目標に到達するために協力しあっている。 | 彼らはサンシャ国の技術力を向上させ、最終目標に到達するために協力しあっている。 | ||
- | また、サンシャ国軍で最も信頼されている司令官達もトゥルー・シチズンである。 | + | また、サンシャ国軍で最も信頼されている司令官達もトゥルーシチズンである。 |
- | 彼ら自身もサンシャ・クヴァケイに従属しているものの、トゥルー・シチズンにはトゥルー・スレイヴの指揮権が与えられている。 | + | 彼ら自身サンシャ・クヴァケイに従属しているものの、トゥルーシチズンにはトゥルースレイヴの指揮権が与えられている。 |
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- | ごく稀に、特定のトゥルー・シチズンのサンシャ国に対する統合を強化するため、クヴァケイはインプラントを通じて彼らを制御することがある。 | + | ごく稀に、特定のトゥルーシチズンのサンシャ国に対する統合を強化するため、クヴァケイはインプラントを通じて彼らを制御することがある。 |
- | それでも尚、トゥルー・シチズンが不実な考えや反抗を試みた場合、インプラントが彼らを統制する。 | + | それでもなおトゥルーシチズンが不実な考えや反抗を試みた場合、インプラントが彼らを統制する。 |
これは精神的なダメージを与えるため、人格と創造性を失わせがちな処置である。 | これは精神的なダメージを与えるため、人格と創造性を失わせがちな処置である。 | ||
- | そうなれば彼らはサンシャ国にとって価値ある市民ではなくなり、トゥルー・スレイヴへと降格させられることになる。 | + | そうなれば彼らはサンシャ国にとって価値ある市民ではなくなり、トゥルースレイヴへ降格させられることになる。 |
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- | サンシャ国は幾つかの基本的な船体設計を採用しているが、それを基に豊富な派生型を開発している。 | + | サンシャ国はいくつかの基本的な船体設計を採用しているが、それをもとに豊富な派生型を開発している。 |
有名なのはサキュバス級、ファンタズム級、ナイトメア級、レヴェナント級である。 | 有名なのはサキュバス級、ファンタズム級、ナイトメア級、レヴェナント級である。 | ||
これらの艦船のブループリントはカプセラが既に入手しているが、今なお少なくとも1機のフリゲートの正式名称と設計が不明のままだ。 | これらの艦船のブループリントはカプセラが既に入手しているが、今なお少なくとも1機のフリゲートの正式名称と設計が不明のままだ。 | ||
行 504: | 行 504: | ||
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- | サンシャ国は既に人工ワームホールを生成する方法を発見しており、任意に操ることが出来るものと考えられている。 | + | サンシャ国は既に人工ワームホールを生成する方法を発見しており、自在に操ることが出来ると考えられている。 |
このワームホールを通過できるのはサンシャ艦のみだが、通常のワームホール同様に質量による負荷で崩壊してしまう。 | このワームホールを通過できるのはサンシャ艦のみだが、通常のワームホール同様に質量による負荷で崩壊してしまう。 | ||
- | ワームホールを生成し、利用者を制限する方法はサンシャ国の独自技術であるため、彼らは大きな戦略的優位性を獲得している。 | + | ワームホールを生成して利用者を制限する方法はサンシャ国の独自技術であるため、彼らは大きな戦略的優位性を獲得している。 |
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行 517: | 行 517: | ||
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- | サンシャ国の全ての奴隷はスレイヴ・インプラントで制御されている。 | + | サンシャ国のすべての奴隷はスレイヴ・インプラントで制御されている。 |
これはカプセラが能力を強化するために使用しているものより遥かに広範かつ高度な品だが、装着者の意思を無力化してしまう。 | これはカプセラが能力を強化するために使用しているものより遥かに広範かつ高度な品だが、装着者の意思を無力化してしまう。 | ||
彼らの制御装置には様々なタイプがあり、制御が容易だと思われる人間向けの神経系インプラントから、 | 彼らの制御装置には様々なタイプがあり、制御が容易だと思われる人間向けの神経系インプラントから、 | ||
行 530: | 行 530: | ||
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- | この種のヘルメットとは違って、スレイヴ・インプラントは奴隷の高次元機能を無力化するものではない。 | + | スレイヴ・インプラントは経頭蓋マイクロコントローラーと違って、奴隷の高次元機能を無力化するものではない。 |
- | トゥルー・スレイヴは個体に応じた問題解決能力と創造性を発揮し、彼らの敵を慄かせることができる。 | + | トゥルースレイヴは個体に応じた問題解決能力と創造性を発揮し、彼らの敵を慄かせることができる。 |
命令に反抗できるほどの自由ではないが、命令を遂行するために多様な方法を採ることができるほどの自由である。 | 命令に反抗できるほどの自由ではないが、命令を遂行するために多様な方法を採ることができるほどの自由である。 | ||
- | 信頼に値する忠実な奴隷には比較的高い自律性が認められ、僅かながら奴隷化される以前の人格を示す。 | + | 信頼に値する忠実な奴隷には比較的高い自律性が認められ、わずかながら奴隷化される以前の人格を示す。 |
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行 543: | 行 543: | ||
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- | トゥルー・シチズンでさえスレイヴ・インプラントを装着されているが、装着者の意思を挫くためではなく、能力の強化を目的に設計された特別なものである。 | + | トゥルーシチズンでさえスレイヴ・インプラントを装着されているが、装着者の意思を挫くためではなく、能力の強化を目的に設計された特別なものである。 |
- | これらの幾つかは能力強化を図りたいカプセラの手に落ちた。 | + | これらの一部は能力強化を図りたいカプセラの手に落ちたが、現時点ではサンシャ国の命令に感応する気配を見せておらず、拘束具として機能するには別の重要な装置が必要なようだ。 |
- | 現時点では、これらのインプラントはサンシャ国の命令に感応する気配を見せておらず、拘束具として機能するには別の重要な装置が必要なようだ。 | + | |
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