pvp:fleet

Fleet PvP

EVEにおける多人数戦は、よほど特別な状況でない限りフリートを用いて指揮を行います。
そのため、EVEでは多人数戦のことをフリート戦とも呼びます。

そもそもフリートとは何か、フリートを使うことでどのようなメリットが有るかはフリートのページで記述してあります。
そして、このページでは「フリートを使ってどのように戦うか」といった点について記述していきます。

PvE/PvPを問わず、多人数で戦闘を行う際の基本的な戦術思想は「攻撃と回復の分業」です。

このゲームにおいては「攻撃されやすい船」というものこそ存在しますが、「敵の攻撃を引き付ける役」などというものは存在しません。ことPvPにおいては、血の通っている人間が相手になるわけですから。
そのため、戦闘用であればどの船も防御を捨てるということは基本的にありません。
通常のソロPvEであれば、持続して敵の攻撃を凌ぐためには、「レジストを上げ」「ローカルリペアMOD1)を積む」のが普通です。ソロ~少人数PvPでも、場合によってはリペアを積むことがあります。
しかし多人数戦になると、基本の防御思想は「レジストを上げ」「HP上限を増やし」「専任の回復役を別で用意する」となります。

多人数戦であっても、一度に攻撃を受ける人数は多くありません。回復役が別でいるのなら、その回復力を攻撃を受けている部分に集中させることで、通常のローカルリペアを遥かに上回る回復を行うことが出来ます。
つまり、人数が多いのであれば攻撃役と回復役は分業したほうが効率がいいのです。

そして、通常のFit時にタレットやランチャーを統一するのと同様、フリートの攻撃役(DPS)は使用する船自体を統一するのが普通です
理由はもちろん、交戦距離の統一のため。単体の船をFitする時にタレット/ランチャーを統一するのと同じ理由です。
更に、ソロPvPであれば自分で行う「敵を捕まえること(=ワープ妨害等)」も分業し、専任の船を割り当てます。その他のEWAR艦を用意することもあります。
これらの指定艦・指定Fitのセットをドクトリン(Doctrine:戦闘教義)といい、指定されているFitをドクトリンFitと言います。→ドクトリン成立までの長い道のり

いつも同じフリートを使っていれば、相手はその苦手な距離を得意とする、こちらにとって天敵となるフリートを構成することでしょう。
なので、通常であれば、敵の態勢に合わせて有利を取れるよう、複数のドクトリンを制定することが普通です。
そうでなくても、対艦隊なのか、対建造物なのか、あるいは機動性を重んじるのか、防御を重視するのかなど、目的や想定する戦術に合わせてドクトリンは全く別のものになるはずです。

フリートを効率よく運用するための組織編成はだいたい決まって以下の様なものになります。

Fleet Commander
フリートコマンダー
通称FC。フリートの最高指揮官。
フリートの移動指揮、攻撃指示などを一手に担う。フリートワープの始動を担うこともある。
彼我の戦力差、相性、その他の状況等を的確に判断する戦術眼が求められる。
DPS フリートの攻撃役。フリートのメイン戦力であり、フリートで最も人数が求められる役。
FCの指示に従い、敵をロックし、発砲する役割。
サブウェポンとしてTDやRSDを装備することもある。
戦闘時はFCにアンカーし、操艦をFCに委ねることになる。
Anti-Support
アンチサポート
DPSの一種。大規模フリートでは採用されないことも多いが、小規模フリートでは特に重要になる。
主な役割は、メインDPS等の脅威になる敵の小型艦(タックラー)などを排除すること。
小型艦への火力の通りが良いCLやT3DDなどが採用される。
EWAR 文字通りのEWAR役。専任の船を置く場合は、CelestisなどのDamp艦を用いることが多い。
小規模フリートであればBlackbirdなどのECM艦が猛威を振るうが、戦闘の規模が大きくなるほど活躍はしにくくなる。
Target Painterは大規模戦でも有効なEWARだが、その性質上そこまで数は必要とされない。
Tackler
タックラー
敵を捕まえる役。
フリートにおいては攻撃と回復の分業だけでなく、敵の捕捉と攻撃の分業も行われる事がほとんど。
Intyなどのフリゲートが用いられることが多い。また、LachesisHuginn といった、Scram/Webの射程ボーナスを持つ船が使われることもある。
ただし、Nullなどバブルが使える環境であればTacklerはDictorが一番よく使われる。
Link
リンク
コマンドバースト担当。 メンバーの船の性能に大きく関わる、重要な役。
可能なら用意したい。
Logistics
ロジスティクス
通称Logi(ロジ)。フリートの回復役。
フリートのタンク力の大半はLogiの力に掛かっており、Logiの働きが味方の生死を左右する。
T2Logiを使うのが基本だが、DPSなどが安い船だったりフリートの規模が小さいときなどはT1Logiでも許容されることも多い。
Logi Anchor
ロジアンカー
Logiの操艦を指揮する役。
Logiはフリート本隊から距離を置くのが普通なので、操艦をFCに委ねる訳にはいかない。
戦闘時、LogiはLogi Anchorにアンカーして、操艦を委ねる。そのため、FC程ではないもののLogi Anchorにも高い状況判断力と経験が求められる。
Scout
スカウト
一口にスカウトと言っても、2通りのスカウトが存在する。
Intyによるスカウト Nullの大規模フリートで用いられる事が多い。
主な役割は艦隊に先行しての偵察など。その他、Pin2)やSS3)の位置取りをしたり、敵の本隊からはぐれた船をタックルしたりと、やることは状況に応じて幅広くある。
スカウト情報は艦隊の生死に直結する重要な情報なので、こちらのスカウトは信頼の置ける人にのみ任せるというFCも多い。FC自身がAltでスカウトすることも多い。
Opsによるスカウト どちらかと言うと小規模フリートでよく用いられる。主な役割は、ゲートやステーションなど重要地点の監視。
戦闘に対するボーナスを一切持たないため、艦隊に先行しての偵察には適さない。
時には、コンバットプローブでの敵艦隊の特定に駆り出されることもある。

その他、特殊な役割の艦として以下のようなものがあります。

Bait
ベイト
直訳すれば「撒き餌」。
敵に「この船を撃沈したい」と思わせ、敵の戦力を引き出すための役割。
味方の到着まで単独で耐えぬく防御力と、なおかつ敵を逃さず捕まえておく能力を要求される。
基本的には小規模フリートが戦闘機会を得るために用いるものだが、Titanをベイトに用いてMS艦隊をおびき出し壊滅させたという事例も存在する。
Drone Anchor
ドローンアンカー
フリート内の味方からドローンアシスト4)を引き受ける役割。
1人が引き受けられるドローンアシスト数に制限がついたためPvPでは使われにくくなったが、インカージョンでは現在でも非常に重要な役割。
味方からライトドローンを大量に引き受け、それでもってフリゲートなどの小型艦に対処するという使われ方が多い。
Anti Bomber
アンチボマー
Bomberフリートとの接敵が予想されるときに用いる。
Bomberの発射したボムを破壊するためのディフェンダーミサイルを装備した駆逐艦のこと。
ただし1隻1基というディフェンダーランチャーの性質上、専任の艦を用意するのではなく、Link役のCommand DDや、アンチサポートとしてのT3DDにこれを載せてその役割を兼ねさせることがほとんど。
Firewall
ファイアウォール
ミサイル艦フリートとの接敵が予想されるときに用いる、スマートボムをガン積みしたBSのこと。
敵艦隊の射線上でスマートボムを作動させ、敵の発射したミサイルを破壊する役割。うまく働けば味方の被害を相当抑えられる。
また、ドローン艦フリート(特にセントリードローン艦)を相手にするときに、相手のドローンを焼き払うために用いることも出来る。

上記のような一般的なフリート構成とは異なる構成も多数存在します。

Spider Tank Fleet
スパイダータンクフリート
DPS艦がリモートリペアMODを装備することでLogiの役割も兼ねるフリート。敵と味方の両方を同時にロックオンしなければならないため操作が複雑になるが、通常の編成よりもタンク力が高い。
ユーティリティハイを持ちPGにも余裕があるMacharielTengu、ドローンがメイン火力になるVexorMyrmidonなどがこれに向いている。ONI Industry伝家の宝刀RR Vexorもこれである。
Black Ops Fleet
ブラックオプスフリート
Black Opsを基幹としたフリート。Recon Ship等が先行し敵を捕捉、Covert Jump Portalを用いてStealth BomberRecon ShipBlack Ops等を投入し敵を撃破する。
通常のTitanブリッジとは異なり迅速な帰還も可能であり、フリートの機動力は非常に高い。主にその隠匿性と展開の即時性を活かしてPvE艦を轢き殺すフリートであり、PvPフリートと正面切った殴り合いをすることは珍しい。
Bomber Fleet
ボマーフリート
Stealth BomberのBomb Launcherを運用することに特化したフリート。高威力の範囲攻撃兵装であるBombを多数同時に発射することで、比較的少数でも大規模艦隊を撃破する事が可能となる。
Bombの性質上5)、使用する弾の統一が必須。可能であれば使用する艦まで統一したい。
また、フリートの人数が多くなれば、班分けして同時発射数を制限したり、余計なデクロークを防ぐための操艦指示などか必要になるため、指揮が複雑になる。
基本的に待ち伏せに向いているなど防衛的な性格が強く、主体的な攻撃に用いるのは難易度が高い。

フリート行動時にFCが用いる指示用語のまとめです。基本的に英語ベースの指示になります。
完全なロシアンフリートなどでない限りは、概ねどの勢力も同じような用語を使っていると思われます。ONI Industryで使われる指示もこれに準拠します。

準備時指示 意味 備考
~~ x up ~~ エックスアップ ~~に該当するならばx up6) 各艦種の人数を確認したり、不足している艦種への配置転換を促すために用いられる。
Set Destination xxx セット ディスティネーション xxx xxxを目的地に設定 普通はこれに合わせてフリートチャンネルに目的地へのリンクが貼られる。
Set Dest xxx セット ディスト xxx
移動時指示 意味 備考
Dock out ドックアウト 出港
Undock アンドック
Dock in ドックイン 入港
Dock up ドックアップ
Dock ドック
align to xxx アライン トゥ xxx xxxにアライン(軸合わせ) xxxは基本的にスターゲートを指す。戦闘時などであれば惑星などを指すこともある。
これを怠るとフリートから置いて行かれる。
align next アライン ネクスト 次の目標へアライン 目的地設定により次の移動先がわかっている場合、こう略すFCもいる。
align アライン
warp to xxx ワープ トゥ xxx xxxにワープ 基本的にフリート行動時のワープは全てFCによるフリートワープで行うが、何らかの理由により個別でワープしなければならない時にこのような指示が出る。
xxxは大抵の場合フリートメンバーで、フリートチャンネルに名前が貼られたり、x up7)していたりする
warp to xxx @dd ワープ トゥ xxx アット dd xxxに距離ddでワープ
jump ジャンプ (主にスターゲートを)ジャンプ 基本的に、何をジャンプするのかをいちいち言うことはない。
jump on contact ジャンプ オン コンタクト 到着(ワープ終了)し次第ジャンプ ワープ中に出される指示。目的地までの移動中のジャンプ指示は大抵これになる。
approach xxx アプローチ xxx xxxに近づけ
hold ホールド (主にゲート前で)ジャンプせず待機 スカウト情報待ちの時などに出される指示。
Do not jumpも同じ意味だが、こちらはより「ジャンプしてはいけない」というのを強調するために使われる。
また、ジャンプ後のクロークを維持すること(下記参照)を指すこともある。
hold on gate ホールドオンゲート
Do not jump ドゥ ノット ジャンプ
Gate is Red ゲート イズ レッド
hold cloak ホールドクローク (ゲートジャンプ後)操作せずクローク状態を維持
keep cloak キープクローク
break cloak ブレイククローク (ジャンプ後の)クロークを解除 クロークを解除をするためには、何らかの移動操作をすれば良い。
decloak デクローク こちらは、どちらかと言うとステボンなどのクロークMODの解除を指す事が多い。
gate stick ゲートスティック ゲート付近を維持 holdに似ているが、こちらは接近やオービットなどを使って近くまで行けという指示。
stick スティック
gate back ゲートバック (ゲートジャンプ後)全速でジャンプしたゲートに接近 主に逃げるときに出される指示。
gate clash ゲートクラッシュ
re-approach gate リアプローチゲート
burn to xxx バーン トゥ xxx xxxまで各自で移動 主に急いでいる時に使われる指示。フリート行動を解除し、各自が最速での移動を行う。
基本的にルート上の安全が確保されてからこの指示が出される。
戦闘時指示 意味 備考
anchor up アンカーアップ FC等にアンカー アンカーとは特定の人の近くを維持すること。
接近・オービット・一定距離のどれを使ってもいいが、手段まで細かく指定されることもある。何にせよ、基本はFCなどについていくことを言う。
anchor on xxx アンカーオン xxx xxxにアンカー
spread スプレッド 散開 適当な方向を向いてAB/MWDを使用し直線移動。
ドローンボート艦隊で使われることが多い。
spread point スプレッドポイント ポイント分散 小規模フリートで使われる指示。
各自がそれぞれ別々の敵をポイントし、より多くの敵を捕まえろという意味。
primary xxx プライマリー xxx 第一目標xxx プライマリーが現在撃つべき目標。第二目標まで指示するのは、プライマリーを撃破したあとすぐ次の目標を攻撃できるようにするため。
通常、xxxの部分は「キャラ名の先頭数文字」と「艦種」で宣言する。
secondary xxx セカンダリー xxx 第二目標xxx
shoot xxx シュート xxx xxxを攻撃
switch to xxx スイッチ トゥ xxx 攻撃目標をxxxに変更 現在攻撃している対象の防御力が高くなかなか撃破できない時などに出される指示
hold fire ホールドファイア 射撃中止
sease fire シースファイア
do not shoot ドゥ ノット シュート
soft point ソフトポイント ダメージを与えず拘束 主に小規模フリートにおいて、敵Podがいるときに出される指示。
より多くの味方がキルボードに載れるようにするための行為である。

また、(主に小規模フリートで)FC以外のメンバーが状況説明などに使う用語は以下の様なものがあります。

索敵時用語 意味 備考
local neut xxx ローカルニュート xxx システム内に敵性キャラがxxx人いる NeutではなくEnemyなどという場合もあり
local clear ローカルクリア システム内に敵性キャラがいない
xxx on scan xxx オンスキャン xxxが指向性スキャンに映る
nothing on scan ナッシングオンスキャン 何も指向性スキャンに映らない
gate neut xxx ゲートニュート xxx ゲート周辺に敵性キャラがxxx人いる
gate clear ゲートクリア ゲート周辺に敵性キャラがいない
xxx spike xxx スパイク xxxに敵性多数出現 概ね10人以上の敵性キャラが急にローカルに現れた時を指す
check チェック 緊急連絡 他人の発言に割り込んででも連絡しなければならない事項があるときに使う。
VC等で誰かが「Check」と発言したら他の人間は黙るように。
戦闘時用語 意味 備考
yellow box イエローボックス 敵からロックオンを受けている 自分をロックオンしてきている船は、オーバービュー上のブラケットに黄色い枠がつくことからそう言う。
red box レッドボックス 敵から攻撃を受けている 撃ってきた相手は60秒間ゲートジャンプと入港ができなくなる。
戦闘の開始に直結する重要な情報。
xxx point xxx ポイント xxxにワープ妨害MODを当てた 敵を捕まえたという合図。味方が優勢な場合はこの合図をよく聞き、なるべく味方と被らないようワープ妨害を行い、より多くの敵を捕まえるようにしたい。
xxx long point xxx ロングポイント xxxにWarp Disruptorを当てた
xxx short point xxx ショートポイント xxxにWarp Scramblerを当てた

1)
Armor Repair SystemやShield BoosterといったMODのこと
2)
基点から150km以上離れている、同じグリッド内のワープ出来る場所のこと。
3)
SafeSpot。ステーションや惑星などから遠く離れていて、直接ワープが出来ない地点のこと。
コンバットプローブを使われない限りは安全地帯だと言える。
4)
展開しているドローンを右クリックして選択できるAssist(援護)を選ぶこと。ドローンアシストを受けている場合、自分の攻撃行為に連動してドローンが攻撃を行うようになる。
5)
BombにはHPが設定されており、ダメージを受けると破壊され炸裂しなくなる。Bomb自身の爆発と同じ属性に対しては高いレジストを持つためある程度は耐えられるが、違う属性の爆発に巻き込まれれば一撃で破壊される。
6) , 7)
フリートチャンネルで「x」と発言すること
  • pvp/fleet.txt
  • 最終更新: 2023/01/07 00:02
  • by Osat Bartlett