backstory:faster-than-light-communication

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-Amarr人は最初にジャンプゲート技術を習得したので、この問題に最初に直面した。Amarr人は国費で大規模に研究を始め、さまざまな抜本的解決策を試したが、成功することはなかった。ついに、彼らはすべての研究をやめ、超高速通信は実現不可能であるという事実を受けいれた。+アマー人は最初にジャンプゲート技術を習得したので、この問題に最初に直面した。アマー人は国費で大規模に研究を始め、さまざまな抜本的解決策を試したが、成功することはなかった。ついに、彼らはすべての研究をやめ、超高速通信は実現不可能であるという事実を受けいれた。
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-何世紀か後、Gallente人とCaldari人がSotiyo-Urbaata間(ジャンプ)装置構築によって同じ問題に直面することになる。装置によりGallent人とCaldari人の居住星系内での超高速航行が可能になり、ドライブを使った船での通信はできたが、それは当然便利な通信機器ではありえなかった。これを解決する研究に対する振興として、GallentもCaldariも、この問題の何らかの解決策をもたらした者に莫大な賞金を約束した、科学史に愚かな研究のひとつとして刻まれることになった。+何世紀か後、ガレンテ人とカルダリ人がソティヨ-ウルバータドライブの建造によって同じ問題に直面することになる。装置によりガレンテ人とカルダリ人の居住星系内での超高速航行が可能になり、ドライブを使った船での通信はできたが、それは当然便利な通信機器ではありえなかった。これを解決する研究に対する振興として、ガレンテとカルダリが、この問題の何らかの解決策をもたらした者に莫大な賞金を約束したことで、科学史に刻まれる熱狂的な研究競争が引き起こされることになった。
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-Amarr人と同じく、多くの解決策がためされたが成功しなかった。ついに、若きGallente人であるLi Azbelが、シンプルだけれども、難解な物理学に根差した解決策を思いつくことになるが、当初はでっち上げだとして無視された。+アマー人と同じく、多くの解決策がためされたが成功しなかった。ついに、若きガレンテ人であるリー・アズベルが、シンプルだけれども、難解な物理学に根差した解決策を思いつくことになるが、当初はでっち上げだとして無視された。
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-有名なAzbel-Wuthrich実験により、その機能性の証明が成功した。産業化はすぐに追随し、結果、何千もの企業が既知宇宙の範囲を拡大させ、最大の株式相場急騰をひきおこした。+有名なアズベル-ヴュートリッヒ実験により、その機能性の証明が成功した。産業化はすぐに追随し、結果、何千もの企業が既知宇宙の範囲を拡大させ、最大の株式相場急騰をひきおこした。
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-解決策は古来のパラドックスに根差している。しばしばEPRパラドックスとよばれこの名前は謎に包まれている。(訳注: 現実世界用語, アインシュタイン他2名によるEPR論文より.)+解決策は古来のパラドックスに根差している。しばしばEPRパラドックス(([[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%B3%EF%BC%9D%E3%83%9D%E3%83%89%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC%EF%BC%9D%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%BC%E3%83%B3%E3%81%AE%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%89%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9|アインシュタイン=ポドルスキー=ローゼンのパラドックス]]。現実の用語。))とよばれこの名前は謎に包まれている。
 EPRパラドックスは、いくつかの非常に重要な点における量子物理学の矛盾として有名である。具体的には別の古来の物理理論であるハイゼンベルグの不確定性原理が不正確であることを示すものである。ハイゼンベルグの不確定性原理、この名前は場所か人からきているとみられているが(訳注:人名)、これにより、たとえどんなに精度のよい計測装置をもってしても、量子レベルの粒子の正確な状態を、完全な精度をもって決定することはできない、ということが述べられている。 EPRパラドックスは、いくつかの非常に重要な点における量子物理学の矛盾として有名である。具体的には別の古来の物理理論であるハイゼンベルグの不確定性原理が不正確であることを示すものである。ハイゼンベルグの不確定性原理、この名前は場所か人からきているとみられているが(訳注:人名)、これにより、たとえどんなに精度のよい計測装置をもってしても、量子レベルの粒子の正確な状態を、完全な精度をもって決定することはできない、ということが述べられている。
 伝統的に、単体粒子の速度と位置の計測の例が用いられる。粒子の位置を計測するためには、それを'見る'ことができなくてはいけない。これの意味することは、少なくとも1つの光子を使い、粒子を照らすということである。しかし、光子と粒子との衝突によって粒子の速度が変化し、位置を測定される前の速度がなんであったかを決定することが不可能になる。 伝統的に、単体粒子の速度と位置の計測の例が用いられる。粒子の位置を計測するためには、それを'見る'ことができなくてはいけない。これの意味することは、少なくとも1つの光子を使い、粒子を照らすということである。しかし、光子と粒子との衝突によって粒子の速度が変化し、位置を測定される前の速度がなんであったかを決定することが不可能になる。
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-{{https://web.ccpgamescdn.com/newssystem/media/62942/1/knottheory.jpg|Li Azbelの推測には、ほとんど知られていない結び目理論の亜種が含まれていた。}}\\+{{https://web.ccpgamescdn.com/newssystem/media/62942/1/knottheory.jpg|リー・アズベルの推測には、ほとんど知られていない結び目理論の亜種が含まれていた。}}\\
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-これがまさにLi Azbelが問題を取りあげた点で、稀有な洞察により突破口へと導かれた。彼女は、伝送の結果が純粋にノイズしかなかったとしても、ノイズの構造が情報の符号化に使えると論じた。事実、純粋なカオス時系列に至る分岐カスケードがファイゲンバウム定数により記述できる普遍的構造をもつことはよくしられていた。ロジスティック写像とよばれる領域[0,1]で定義されたパラメータ族をとると、任意のランダム配列を生成するような写像のパラメータと初期値が存在する。Azbelは問題を別の側面からみた。すなはち無限のカオス配列があたえられたら、どうしたら初期状態までさかのぼることができるだろうか?信号のもつシャノンの情報エントロピーに最大エントロピー解析を使い、彼女はこの逆問題をとく方法を発明した。+これがまさにリー・アズベルが問題を取りあげた点で、稀有な洞察により突破口へと導かれた。彼女は、伝送の結果が純粋にノイズしかなかったとしても、ノイズの構造が情報の符号化に使えると論じた。事実、純粋なカオス時系列に至る分岐カスケードがファイゲンバウム定数により記述できる普遍的構造をもつことはよくしられていた。ロジスティック写像とよばれる領域[0,1]で定義されたパラメータ族をとると、任意のランダム配列を生成するような写像のパラメータと初期値が存在する。Azbelは問題を別の側面からみた。すなはち無限のカオス配列があたえられたら、どうしたら初期状態までさかのぼることができるだろうか?信号のもつシャノンの情報エントロピーに最大エントロピー解析を使い、彼女はこの逆問題をとく方法を発明した。
 さらに、注意深くもつれた量子状態の測定を調節することで、測定過程で基本的には故意にはいりこませた特殊なノイズの構造が、もう一方の粒子の測定にもちこされるということを実演した。 さらに、注意深くもつれた量子状態の測定を調節することで、測定過程で基本的には故意にはいりこませた特殊なノイズの構造が、もう一方の粒子の測定にもちこされるということを実演した。
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-前に述べたとおり、この理論的な結果は当初は信じ難く真実ではないと考えられた。Azbel-Wuthrich実験は古来のアスペの実験(([[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%9A|アラン・アスペ]]。実在の人物。))ととても似た設定を使い、このチャンネルを通じ、最初の顔文字 <nowiki>:-)</nowiki> が送られ、歴史的瞬間となった。これに続き、誰がこれを産業化するかのゴールドラッシュが始まった。+前に述べたとおり、この理論的な結果は当初は信じ難く真実ではないと考えられた。アズベル-ヴュートリッヒ実験は古来のアスペの実験(([[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%9A|アラン・アスペ]]。実在の人物。))ととても似た設定を使い、このチャンネルを通じ、最初の顔文字 <nowiki>:-)</nowiki> が送られ、歴史的瞬間となった。これに続き、誰がこれを産業化するかのゴールドラッシュが始まった。
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-のラッシュの結果が見なれた液体ルータで、今日我々が知るように、全世界通信の基礎単位を形成した。数学的な複雑さを無視するとこれらルーターの構造は詐欺的に単純である。製造の最初の段階は、もつれた量子状態を作ることである。これは超流動体の4-ヘリウムで、基本的に全ヘリウム原子がボーズ凝縮により1つの量子状態にもつれさせらてたものを使う。+この結果が見なれた液体ルータで、今日我々が知るように、全世界通信の基礎単位を形成した。数学的な複雑さを無視するとこれらルーターの構造は詐欺的に単純である。製造の最初の段階は、もつれた量子状態を作ることである。これは超流動体の4-ヘリウムで、基本的に全ヘリウム原子がボーズ凝縮により1つの量子状態にもつれさせらてたものを使う。
 そのような液体4-ヘリウムの液滴が注意深く2つにわけられる。この点から、2つの液滴、もっと具体的には液滴の中のヘリウム原子は本質的にもつれている。それぞれの液滴が、バイト列を液滴の量子状態測定に符号化復号化する装置を供えた別々のルータボックスに配置される。 そのような液体4-ヘリウムの液滴が注意深く2つにわけられる。この点から、2つの液滴、もっと具体的には液滴の中のヘリウム原子は本質的にもつれている。それぞれの液滴が、バイト列を液滴の量子状態測定に符号化復号化する装置を供えた別々のルータボックスに配置される。
 この時点からこの2つのルータは距離に関係なく相互に接続される。そして通常、宇宙船がルータペアをネットワークプロバイダから購入する。ボックスの1つは宇宙船に配置され、もう一方は他のルータとの接続をもつネットワークプロバイダの基幹にのこされ、これにより効果的に分散的なネットワークが構築される。ここでメッセージは多くのルータとプロバイダを経由する。この構造は古来のインターネットに似ている。 この時点からこの2つのルータは距離に関係なく相互に接続される。そして通常、宇宙船がルータペアをネットワークプロバイダから購入する。ボックスの1つは宇宙船に配置され、もう一方は他のルータとの接続をもつネットワークプロバイダの基幹にのこされ、これにより効果的に分散的なネットワークが構築される。ここでメッセージは多くのルータとプロバイダを経由する。この構造は古来のインターネットに似ている。
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  • 最終更新: 2020/11/10 13:51
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